不安、不快、恐怖などの「痛み」に伴う「負の情動反応」の分子機構を解明し、「身(からだ)」と「心(こころ)」の両方を苦痛から解放することが、21世紀の疼痛治療に求められる。モルヒネの鎮痛作用機序に「負の情動反応」の抑制が関与している可能性を示した我々の知見は、鎮痛薬の研究・開発における「心」の薬理学の重要性を示唆している。
(南 雅文 「痛み」による「負の情動反応」における扁桃体の役割 p.5)