情動、特に快と痛みの分子メカニズムの解明は、QOL向上の科学的アプローチとして期待されている。快と痛みの両者で重要な役割を果たしているオピオイドシステムについての、μオピオイド受容体遺伝子欠損マウスを用いた薬理学的研究や、日本人のゲノムを用いた遺伝子多型研究などから、快と痛みのメカニズムの共通点と相違点が明らかになってきた。
(井手聡一郎 報酬効果と鎮痛効果の異なる作用機序 p.11)