うつの病理は未だ不明な部分が大きいが、遺伝学を用いたアプローチには期待がもたれている。しかし、ヒトを対象とした集団遺伝学だけでは他の複雑遺伝疾患と同様、感受性遺伝子の同定は困難である。一方、これまでうつの齧歯類モデルはいろいろ作成されてきたが、その利用は薬理および行動薬理が中心であった。我々のアプローチは、遺伝学的アプローチを動物モデルに応用するということで、独創的なものである。
(吉川武男 動物モデルを用いたうつの分子遺伝学的アプローチ p.25)