塩酸ラロキシフェン(エビスタ)は本年5月、本邦において発売されたSERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)に属する閉経後骨粗鬆症治療剤であり、大規模臨床試験において骨折抑制効果が検証されている。塩酸ラロキシフェンは、エストロゲン受容体との結合を介した標的遺伝子の転写促進あるいは抑制により、組織選択的な作用を示す。本稿では、本剤のSERMとしての特性を非臨床及び臨床試験成績から解説する。
(小林裕幸 閉経後骨粗鬆症治療薬,塩酸ラロキシフェン(エビスタ錠 60 mg)の薬理作用と臨床成績 p.37)