現代の複雑な社会環境では、様々なストレッサーによって多くの人々が不安、恐怖、葛藤、失望など心理的ストレスを受けており、その結果発症する不安障害やうつ病などの精神疾患が大きな社会問題となっている。分子生物学の進歩に伴い、数多くの遺伝子改変動物が作製されているが、これを用いた神経精神薬理学的研究により、遺伝子レベルで情動性の分子機構が解明されつつある。
(永井  拓 遺伝子改変動物における情動性の評価 p.71)