ストレス応答に関わる脳内システムは、発達過程に応じて動的に形成されるので、幼若期のストレスは、神経回路網の形成過程に影響を与え、成長後のストレス応答性や認知機能などに様々な変化が生じる。本稿は幼若期におけるストレス負荷と脳機能発達との関連を、臨界期という視点から概説し、関与する内因性物質としてのセロトニンの調節的役割を述べる。
(吉岡充弘 情動ストレスと臨界期脳機能発達 p.77)