インスリンは代謝調節に重要なホルモンであり、肝や筋など主要な標的臓器でのシグナルは解明されつつあるが、中枢作用は不明な点が多い。中枢にもインスリンシグナルは存在し、レプチンシグナルと一部を共用する。神経細胞特異的インスリン受容体欠損マウス視床下部では、インスリンシグナルは障害を受けたが、レプチンシグナルは正常に認められた。2型糖尿病における食欲亢進に対してレプチンシグナル刺激の有効性が示された。
(荒木栄一 インスリンシグナリングの調節とその障害 p.120)