薬物トランスポーターの基質認識性や組織分布については、非常に広範なものから限局されたものまで様々であり、これらが異物解毒機構の多様性を生み出していると考えられる。これらの機能は、併用薬物や遺伝子多型、病態などにより変動し、複数の変動の総体として薬物動態や薬効・副作用の個人差が生まれる。従って、個々のトランスポーターの体内動態における重要性を統合的・定量的に明らかにする方法論の開発が急務である。
(杉山雄一 オーバービュー:薬物トランスポーターの分子多様性、組織特異性、遺伝子多型 p.178)