小腸に発現するトランスポーターであるPEPT1はペプチドのみならず薬物吸収にも働く。その活性はプロトンを駆動力とし酸性で高い。そこで小腸管腔pHをプロトン放出性ポリマーを併用して酸性化し、PEPT1の活性化を試みた。その結果、PEPT1を介した薬物吸収はin vivoで改善された。また、その効果は酸性度の高いポリマー程良好であった。今後、トランスポーターを利用した薬物の吸収改善への応用が期待される。
(野沢 敬 トランスポーターを利用した薬物の消化管吸収改善 p.194)