酵母、線虫、ショウジョウバエなどのモデル生物は、発癌、細胞死などの分子機構の解明において常に先駆的な結果をもたらし、高等動物でのメカニズムを予見する役割を果たしてきた。近年、酵母ゲノミクスと酵母遺伝学を組み合わせた、ハイスループットスクリーニングなどの網羅的な遺伝子機能解析の発展により、酵母ゲノミクスは創薬研究においても多大なインパクトを与えている。ここでは、drug discoveryにおけるモデル生物としての酵母の役割について述べてみたい。
(春藤久人 モデル生物:酵母ゲノミクスを用いたdrug discovery p.213)