現代社会においてストレスの問題は年々加速度的に増大している。罹患率が高く、心理的ストレスが発症要因となる不安障害の薬物治療は、最近十数年で大きく変化した。従来のベンゾジアゼピン系の抗不安薬がもつ依存・眠気・適応の狭さなどの問題点の克服をめざし、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が国内外で不安障害の治療に広く導入されてきた。(井上 猛 不安障害の薬物治療の最前線 p.297)