私たちが開発した食後高トリグリセリド血症(PHT)家兎は,絶食状態では正脂血症であるが,食後にトリグリセリドの異常高値を示し,さらに耐糖能異常や腹腔内脂肪の蓄積も確認される。最近,高トリグリセリド血症を中心とする上記疾患群の集積とヒトの動脈硬化性疾患,特に虚血性心疾患の発症が密接に関連しているとの報告があり,本家兎を用いた実験的研究により,これらの治療や予防法の確立に向けての病態解明が大いに進展することが期待される。
(伊藤恒賢 食後高トリグリセリド血症家兎(PHT)の開発経緯と生活習慣病モデルとしての有用性 p.301)