日薬理誌 118 (3), 187-196 (2001)


ハイスループット薬理学創薬における研究手法の効率化と大規模化

尾崎  博1),今泉 祐治2),大石 一彦3),小濱 一弘4)

1)東京大学大学院農学生命科学研究科
〒113‐8657 文京区弥生1‐1‐1
e‐mail: aozaki@mail.vm.a.u-tokyo.ac.jp


2)名古屋市立大学大学院薬学研究科
〒467‐8603 名古屋市瑞穂区田辺通3‐1
e‐mail: yimaizum@phar.nagoya‐cu.ac.jp
3)明治薬科大学薬学部
〒204‐8588 清瀬市野塩2‐522‐1
e‐mail: oishikz@my‐pharm.ac.jp
4)群馬大学医学部
〒371‐0052 前橋市昭和町3‐39‐22
e‐mail: yaoki@med.gunma‐u.ac.jp


要約: この5年ほどの間にハイスル−プットスクリーニング(High Throughput Screening:HTS)が急速に広まった.HTSとは,アッセイをロボット化し自動化したものであり,人手に頼ることなく大量のサンプルを短時間にアッセイして,リード化合物を探り当てようとするシステムである.製薬企業では,このHTSが重要な戦略の一つとなっており,またゲノム創薬が動き出していることも追い風となり,HTSにかかる期待は大きい.一方,従来型のアッセイシステム,すなわちLow Throughput Screening(LTS)の役割の重要性が薄れたわけではなく,なお一層の効率化あるいは精度の向上が求められている.つまり,HTSとLTSの連係プレーが,リード化合物を臨床試験へと導く大事な鍵となる.本稿では,始めにHTSの概略を説明し,次にLTSの質の向上と速度の改善を目指す3つの試みを紹介する.


キーワード: ハイスループット,イオンチャネル,人工平滑筋組織,器官培養

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