日薬理誌 118 (3), 197-202 (2001)


薬の標的としての転写因子NF‐κB

菱川 慶一,中木 敏夫

帝京大学医学部薬理学教講座
〒173‐8605 東京都板橋区加賀2‐11‐1
e‐mail: hisikawa@med.teikyo‐u.ac.jp


要約: 転写因子NF‐κBは実に多くの疾患に関わっていることから,NF‐κBをターゲットとした創薬が試みられつつある.既存の化合物ではNSAID,ステロイド剤,免疫抑制薬,フラボノイド等にNF‐κB活性化抑制作用があり,最近ではIκBミュータントの遺伝子導入も試みられている.本稿では創薬を念頭に,既存のNF‐κB活性化抑制薬を概説するとともに,今後の展望について述べたい.


キーワード: NF‐κB,癌,炎症,動脈硬化症,抗酸化薬

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