薬の標的としての転写因子NF‐κB
菱川 慶一,中木 敏夫
帝京大学医学部薬理学教講座
〒173‐8605 東京都板橋区加賀2‐11‐1
e‐mail: hisikawa@med.teikyo‐u.ac.jp
要約: 転写因子NF‐κBは実に多くの疾患に関わっていることから,NF‐κBをターゲットとした創薬が試みられつつある.既存の化合物ではNSAID,ステロイド剤,免疫抑制薬,フラボノイド等にNF‐κB活性化抑制作用があり,最近ではIκBミュータントの遺伝子導入も試みられている.本稿では創薬を念頭に,既存のNF‐κB活性化抑制薬を概説するとともに,今後の展望について述べたい.
キーワード: NF‐κB,癌,炎症,動脈硬化症,抗酸化薬