日薬理誌 118 (4), 277-282 (2001)


マウス脳内微量注入実験法と薬理学研究への応用

池本 光志1),瀧田 正寿2)

独立行政法人 産業技術総合研究所
1)ジーンディスカバリー研究センター
2)人間福祉医工学研究部門
〒305‐8566 茨城県つくば市東1‐1‐1 中央第6)
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要約: ゲノムサイエンス時代の到来とともに,未知のタンパク質の機能を解明することは急務であり,今後その重要性は益々増すことは間違いない.脳内微量注入実験法は,未知のタンパク質の生体内における機能を解析する上で威力を発揮する点において,今後より一層注目される実験手法になると思われる.本稿では,マウス脳内微量注入実験法に関するプロトコールを詳細に紹介するとともに,薬理学研究への応用例として,Secreted Protein Acidic and Rich in Cysteine(SPARC)タンパク質を扁桃体外側基底核へ脳内微量注入したマウスでは,モルヒネ単回投与にも関わらずモルヒネ移所運動活性に対する逆耐性現象と同様の現象が誘導されることを明らかにした解析事例を取り上げ,本実験手法の有用性について考察する.


キーワード: 脳内微量注入実験法,SPARCタンパク質,扁桃体,モルヒネ移所運動活性,逆耐性

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