日薬理誌 118 (5), 309-314 (2001)


レプチンの発見によりもたらされた抗肥満薬の標的分子

日高 周次,小川 佳宏,中尾 一和

京都大学大学院医学研究科 臨床病態医科学第2内科
〒606‐8507 京都市左京区聖護院川原町54
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要約: ob/obマウスの病因遺伝子であるレプチンが単離同定されて以来,肥満研究は新しい局面を迎えようとしている.レプチンは脂肪組織より分泌されるホルモンであり,末梢の脂肪貯蔵量を視床下部に伝達し,視床下部の摂食・代謝調節因子をコントロールし,体重を一定に保つ働きを有していると考えられている.レプチンによって制御される摂食・代謝調節因子は抗肥満薬の標的として重要となる.その中でも特に注目を集めている分子として,ニューロペプチドY,メラノコルチン受容体とそのアゴニストとアンタゴニスト,melanin concentrating hormone,cocaine‐ and amphetamine‐regulated transcriptなどがある.今後これらの作用を調節する分子の開発が,抗肥満薬の創薬に関して重要であると考えられる.

キーワード: レプチン,NPY,α‐MSH,AGRP,MCH

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