日薬理誌 118 (6), 389-395 (2001)


高脂血症治療薬

平川 洋次,下川 宏明

九州大学大学院医学研究院循環器内科
〒812‐8582 福岡市東区馬出3‐1‐1

要約: 動脈硬化性疾患の予防において,高脂血症治療の重要性が認識されるようになり,多くの高脂血症治療薬が開発されてきた.高脂血症治療薬は,HMG‐CoA還元酵素阻害薬(スタチン)・陰イオン交換樹脂・ニコチン酸・フィブラート系・probucolなどに大別されるが,中でも,三共が世界に先駆けて開発したpravastatin(メバロチン(R))に代表されるHMG‐CoA還元酵素阻害薬の開発は,それまでの高脂血症治療に大きな変革をもたらした.現在においても,pitavastatinやrosuvastatinなどの新しいHMG‐CoA還元酵素阻害薬が開発の途中にある.それ以外にも,フィブラート系のgemfibrozilなどすでに海外で高い評価を得ているものに加えて,ACAT阻害薬であるF‐1394・CS‐505ならびにLPL活性化薬であるNO‐1886など,我が国で新規に開発された薬剤も続々と登場しており,この分野では我が国が世界をリードしているといっても過言ではない.本稿では,現在我が国で開発中の新しい高脂血症治療薬について概説する.

キーワード: ピタバスタチン,ロスバスタチン,ゲムフィブロジル,F‐1394,NO‐1886

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