日薬理誌 114 (4), 233-238 (1999)


ラットにおける部分肝切除後の肝再生に対する肝臓水解物の効果


福田 陽一、沢多 美和、鷲塚 昌隆、東野 雷太、福田 義久、田中 芳明、武井 峰男



ゼリア新薬工業(株)中央研究所
〒360-0111 埼玉県大里郡江南町押切2512-1

要約: ウシ肝臓水解物のラット肝再生に対する作用について70%部分肝切除モデルを用いて検討した.肝臓水解物は肝切除24時間後の肝重量を用量依存的に増加させ,その効果は,0.5 g/kg, p.o.の用量から有意であった.細胞増殖の指標として,肝オルニチンデカルボキシラーゼ(ODC)活性およびproliferating cell nuclear antigen(PCNA)labeling indexについて検討した.肝臓水解物は肝切除4時間および24時間後の肝細胞質中のODC活性を有意に上昇させた.また,肝切除24時間後のPCNA labeling indexを用量依存的に上昇させ,その効果は0.5 g/kgの用量から有意であった.以上の結果から,肝臓水解物は肝再生促進作用を有すことが示唆された.

キーワード: 肝再生, 肝臓水解物, 部分肝切除, オルニチンデカルボキシラーゼ, proliferating cell nuclear antigen

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