ファイザー製薬(株)中央研究所 生物科学研究統括部
〒470‐2393 愛知県知多郡武豊町字5号地2番地

Pfizer社の研究開発部門であるPfizer Global Research and Development(PGRD)は米国コネチカット州ニューロンドンに本部を置き,日米欧に6つの総合研究所を展開する文字どおりグローバルな組織です.

PGRDの各研究所は,その特色を最大限に発揮しながら,ファイザー社の企業理念「Life is our life's work」のスローガンのもとに,革新的な新薬創製にチャレンジしています.日本の中央研究所(PGRD Nagoya Labs.)は知多半島のほぼ中央,三河湾側に位置する武豊町にあり,最新鋭の研究設備をそなえた3つの研究棟(総建築面積約2万5千m2)に化学,生物,薬物代謝,薬物動態,製剤,安全性,前臨床開発,情報技術の各分野にわたって約250名のスタッフが鎮痛薬および消化器疾患治療薬の研究開発に取り組んでいます.  

生物科学研究統括部はスクリーニングテクノロジーと分子生物学を担当する探索科学研究部,探索薬理第一および第二研究部,生化学研究室の4つの研究グループから構成され,80余名の研究員が最新の創薬手法と最新鋭の研究機器を駆使し,新規ターゲットの発掘からリード化合物の探索,そして前臨床薬理試験にいたるまでの一連の研究を行っています. 

私たちの責任は世界市場をターゲットにした新薬の創製であり,したがって探索研究の成果である開発候補化合物はファイザー社のグローバルスタンダードのもとに厳格な評価を受け,常に高い革新性が要求されます.そのため,新規研究テーマの採択においては,特に革新性を意識し,研究所員より提案された新しいアイデアを生物科学的側面から深く研究するとともに,医療ニーズや商品性など多岐にわたる解析,評価が行われます.  

現在,探索薬理第一研究部(痛み)および第二研究室(消化器疾患)には薬理学会員12名(うち評議員3名)を含めた40名の研究員が所属しています.中央研究所での鎮痛薬の探索研究は1992年から始まり,新規オピオイド系鎮痛薬として期待されるkappa agonistを始め,既にいくつかの化合物が臨床試験あるいは前臨床開発の段階に進んでいます.

このように,鎮痛薬領域では今日までの創薬研究が着実に実を結ぶようになってきましたが,さらに多くの革新的新薬の創製を目指して日々,切磋琢磨し研究に励んでいます.

一方,消化器疾患用薬の探索研究は,これまでフランスおよびイギリスの研究所で行われていましたが,今年度初頭からこの領域に関わる全ての探索研究機能を日本に集約することになり,現在新たな研究グループを立ち上げているところです.

消化器疾患領域はまだ発足して間もない組織ですが,この領域における新薬創製の責任を担うファイザー社で唯一の研究グループとして,大きく発展して行くことが期待されています.

(砥出勝雄,e‐mail: Katsuo.Toide@japan.pfizer.com)

 

 

研究室訪問 メニュー へ戻る