日薬理誌 116 (1), 43-48 (2000)


HPLC - 白金還元・電気化学検出器を用いた生体中のビタミンK類の高感度 測定

若林 広行 (1)、小野寺憲治 (2)

(1) 新潟薬科大学薬品物理化学教室
〒950-2081 新潟市上新栄町5-13-2
(2) 東北大学歯学部薬理学教室
〒980-0872 仙台市青葉区星陵町4-1

要約: 骨粗鬆症などの骨代謝疾患におけるビタミンK,ビタミンK各同族体の生理的ならびに病態生理的な役割と生体内での動態を解明するためには,ビタミンK同族体の高感度で簡便な測定法が不可欠である.そこで,ビタミンKの構造特性から,白金触媒還元カラムを高速液体クロマトグラフィーの逆相系分離カラムの直後に接続し,分離溶出された各ビタミンK同族体を白金触媒カラム中で還元し,その還元体を直ちに電気化学検出器(EICOM ECD‐300)で酸化検出(+0.6 V vs. Ag/AgCl)する方法を検討した.その結果,従来法に比べより微量な試料で各ビタミンK同族体を高感度(検出限界:2〜10 pg)に定量することが可能となった.本法を用いて,骨粗鬆症患者の血中のビタミンK同族体ならびに変形性関節症患者の皮質骨と海綿骨中のビタミンK同族体を測定した結果を紹介する.

キーワード: ビタミンK, ビタミンK, 骨粗鬆症, HPLC-電気化学検出器, 白金還元カラム

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