日薬理誌 116 (3), 189-196 (2000)


一塩基多型(SNP)の各種解析法とその薬理ゲノミックスへの応用

田上 昭人

国立小児病院小児医療研究センター小児薬理研究部
〒154-8509 東京都世田谷区太子堂3-35-31

要約: ヒトゲノム計画の進展により,診断から薬の創薬まですべての過程は大きく影響を受け,近い将来には“ありふれた病気”に対しても患者の遺伝的体質に合わせた処方,治療が可能となる.このゲノム情報・技術をもとに患者各人に個別至適化した“テーラーメイド医療”を現実化するために,薬理ゲノミックスは,有用となる.薬理ゲノミックスの具体的方法論としてsingle nucleotide polymorphism(SNP,一塩基多型),特に,薬物応答性に関する遺伝子のSNPが重要となり,その解析法が開発されつつある.現在,SNP解析に用いられている高感度・高速度の解析法について紹介する.


キーワード: 一塩基置換, 薬理ゲノミックス, 高速度遺伝子多型解析法, テーラーメイド医療, 遺伝識別

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