は じ め に

 この度第29回薬物活性シンポジウム会長を命ぜられ、2001年11月1日(木)、2日(金)仙台(仙台市青年文化センター)にて開催すべく、教室のスタッフともども鋭意準備を進めてまいりました。
 本シンポジウムは、1972年日本薬学会の主催で第1回大会が開催され、1979年の第8回大会からは日本薬学会、日本薬理学会の共催として、毎年1回開催されて参りました。本シンポジウムの特徴は、毎回メインテーマを決め、薬学・薬理学およびその関連領域の第一線で活躍している研究者が一堂に会し、新薬開発の方向付け、医療を巡る諸問題について、2日間じっくりと討論する点にあります。
21世紀の人類に残された最大の課題は、痴呆症、循環器疾患などの成人病の克服であります。この困難な問題を解決するためには、これら成人病の成因に関する基礎研究、それに関するゲノム研究さらに両者を応用した医薬品開発研究を強力に推進しなければなりません。そこで、今回のシンポジウムではメインテーマを「成人病とゲノム研究の最前線」に定め、このテーマに関する研究の世界的権威者でいらっしゃる先生に特別講演(3題)、および教育講演(1題)をお願い致しております。また、日本薬学会・日本薬理学会のリーダーでいらっしゃる先生方にシンポジウム(3題)を企画していただき、この分野の現状と将来の問題点について討論していただきます。さらに、一般講演(36題)を広く公募し、この分野の最先端の研究の話題を提供していただきます。
 本シンポジウムの仙台における開催は、実に19年ぶりであり、しかも21世紀初めての記念すべきシンポジウムに当ります。本シンポジウムが成人病の薬物の創製に関する基礎研究の進歩に役立つだけでなく、その応用・開発研究の活性化ひいてはその疾患の治療に関する研究の発展に多大な貢献をすると確信しております。皆様にはぜひ積極的に討論に加わっていただき、有意義なシンポジウムになるように御支援賜わりますよう衷心よりお願い申し上げます。
 本シンポジウムを行なうにあたり、各方面から御指導、御支援、御援助を賜わりましたことをこの紙面をかりて厚くお礼申し上げます。

第29回薬物活性シンポジウム
   会長 大泉 康
(東北大学大学院薬学研究科)

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