日薬理誌 120 (2), 101-106 (2002)


ラット肝切除モデルを用いた 13C標識アミノ酸投与後,呼気中 13CO2連続測定による肝機能評価

石井 敬基1),石川 紘一2),浅井  聰3)

1)日本大学 医学部 外科学講座 部門3
2)日本大学 医学部 薬理学教室
3)日本大学 医学部 先進医学総合研究センター 遺伝子・ゲノム医学研究部門
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要約: ラット肝切除モデルを用いて,13C標識アミノ酸で,肝機能障害が定量的に測定可能かどうかを検討した.ネンブタール麻酔下に,肝切除(30%,70%,90%)を施行し,30 mg/kg L‐[1‐13C]phenylalanine,40 mg/kg L‐[1‐13C]methionine,20 mg/kg L‐[1‐13C]alanineを大腿静脈より投与し,呼気中13CO2の変化を15分間連続測定した.投与した総ての13C標識アミノ酸の呼気テストの結果で,30%以上の肝臓切除であれば,コントロールに比べ,呼気中13CO2は有意に低下した.肝切除後,残存肝と呼気テストの結果では,測定時間内の13CO2の総排出量と肝重量/体重比の相関がL‐[1‐13C]フェニルアラニンr=0.883,L‐[1‐13C]メチオニンr=0.922,L‐[1‐13C]アラニンr=0.902と高い相関を示した.13C標識アミノ酸呼気テストで肝機能障害を定量的に測定できる可能性が示唆された.


キーワード: 13C呼気テスト,L‐[1‐13C]フェニルアラニン,L‐[1‐13C]メチオニン,L‐[1‐13C]アラニン

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