日薬理誌 114 (3), 191-197 (1999)


マウスのストレス性高血糖に対するニンニク抽出液(AGE)の作用

春日 繁男 (1),牛島 光保 (1),森原 直明 (1),板倉 洋一 (1),仲田 義啓 (2)

(1)湧永製薬株式会社 OTC研究所
(2)広島大学医学部総合薬学科薬効解析科学教室
(1)〒739-1105 広島県高田郡甲田町下甲立1624
(2)〒734-8551 広島市南区霞一丁目2番3号



要約: ストレス性高血糖に対するニンニク抽出液(以下,AGE:aged garlic extractと略す)の有用性を明らかにする目的で,マウスの拘束ストレスモデルを用い,AGEのストレス性高血糖に対する作用を検討した.ddY系雄性マウスに1日16時間の拘束ストレスを2日間負荷すると,血糖値,血清コルチコステロン濃度の上昇および副腎重量の増加が認められたが,血清インスリン濃度には変化は認められなかった.したがって,本モデルでの高血糖は,視床下部−下垂体−副腎皮質系を介したものであると推察された.AGE 5および10 ml/kgは,ストレス負荷の1時間前に2日間経口投与することにより,血糖値,血清コルチコステロン濃度の上昇および副腎重量増加を抑制し,AGEはストレスによる高血糖を防御した。

キーワード: AGE,拘束ストレス,血糖値,血清コルチコステロン,血清インスリン

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