第18 回国際薬理学臨床薬理学会議(WCP2018)の京都開催を来年の7 月に控え,組織委員会と協力して国際会議に向けた準 備を進めて行くとともに,これを契機として薬理学会の更なる活性化を図ることを本年度の重点目標とします.具体的には, 日本臨床薬理学会をはじめとした国内学会および製薬関連企業との協力を強化していきます.さらに,国際薬理学連合(IUPHAR) およびアジア・オセアニア各国,米国,英国の薬理学会との連携について,強化を進めて参ります.このような国際連携強化 の一環として特別委員会に国際対応委員会が設置されており,本委員会を軸に理事会,各委員会が一致協力して,WCP2018 の成 功と学会国際化の推進に向けた活動を進めて参ります.学会機関誌については,編集委員会ならびに広報委員会を中心に更な る質の向上に努めます.特に,国際情報発信強化補助金を用いたJournal of Pharmacological Sciences (JPS)の国際誌レベル アップを一層進めて参ります.さらに,次世代の会の活動の充実,薬理学エデュケーター制度の導入などの検討を行い,若手 研究者も含めた学会活動の促進に取り組んでいきます.財政状況につきましては,会費収入の漸減傾向が続いていますが,前 期理事会での出版事業の外部委託などによる経費削減により,収支バランスが好転してきました.これを機会に,会員管理シ ステムのリニューアルを行い,それと連動した諸種システムなどの一本化を図り,会員の方の手続きの利便性の向上を目指し ます.平成31 年度までの継続が決定されている事務局体制につきましても,3 月の総会を目処に,平成32 年度以降の事務局体 制に関する方針を決定し,将来も安定した学会運営体制の構築を目指します.
本会の更なる発展を目指すため,会員の皆様のご理解と一層のご支援ご協力をお願いいたします.
理事長 赤池 昭紀
(1) 年会の開催
第90 回年会は,新しい領域に挑み続け,それらを受け入れ進化している薬理学研究を,国内外に広く示して行きたいと考え, 『出島に学ぶ-Therapeutic Innovation from Dejima-』をテーマとする.性別や国籍,年齢などにとらわれず,次世代の 薬理学を担う多くの研究者が溶け込みやすく,自身のホームグランドと感じられる年会となるよう全力で取り組む.
プレナリーレクチャーは森 和俊氏(京都大学大学院理学研究科・教授)が「小胞体の機能と制御のダイナミクス」を講演す る.内外の研究者9 名がそれぞれ特別講演を行い,特別招待講演は理化学研究所の高橋 政代氏とミシガン大学のDaniel Goldman 教授である.JPS とASCEPT の講師交換プログラムによる講演1 題,教育セミナーは2 題である.年会企画シンポジ ウム7 題,年会企画スポンサードシンポジウム,年会特別企画シンポジウム,年会企画ナノシンポジウム,JPS サテライトシ ンポジウム,次世代の会シンポジウム各1 題,企業企画シンポジウムは2 題である.日本生理学会,日本臨床薬理学会,日 本医学会連合の各団体と共催シンポジウムを行う他にダイバーシティ推進シンポジウム,レギュラトリーサイエンスシンポ ジウムをそれぞれ計画している.
・第 90 回 日本薬理学会年会 年会長:植田 弘師(長崎大学・院・医歯薬)
平成29 年3 月15 日~17 日 長崎ブリックホール,長崎新聞文化ホール
(2) 地方部会の開催
6 回の地方部会を開催する.多彩な企画を予定している.
・第131 回 日本薬理学会近畿部会 部会長:戸苅 彰史(愛知学院大学・歯) 平成29 年6 月30 日 ウインクあいち
・第136 回 日本薬理学会関東部会 部会長:古川 哲史(東京医科歯科大学難治疾患研)
平成29 年7 月 8 日 東京医科歯科大学鈴木記念講堂
・第 68 回 日本薬理学会北部会 部会長:石井 邦明(山形大学・医)
平成29 年9 月15 日 山形テルサ
・第137 回 日本薬理学会関東部会 部会長:鈴木 秀典(日本医科大学・医)
平成29 年10 月28 日 日本医科大学千駄木地区キャンパス
・第 70 回 日本薬理学会西南部会 部会長:宮田 篤郎(鹿児島大学・院・医歯学)
平成29 年11 月18 日 かごしま県民交流センター
・第132 回 日本薬理学会近畿部会 部会長:金井 好克(大阪大学・院・医)
平成29 年11 月24 日 千里ライフサイエンスセンター
(3) 市民公開講座の開催
科学的で正確な薬理学的知識に基づいて,薬物に関する正しい知識を国民に対して広めること及び薬理学の社会的重要性を 国民に広く知ってもらうための啓発活動の一環として年会,地方部会と連動して4回の市民公開講座を開催する予定である.
・公開講座(第90 回年会) 平成29 年3 月17 日,長崎ブリックホール(長崎市)
テーマ:『依存性薬物の乱用とその実態-教育と行政の取り組み-』
講 師:舩田 正彦(国立精神・神経医療研究センター)
・公開講座(第68 回北部会) 平成29 年9 月16 日,山形テルサ(山形市)
テーマ:『感染症に薬が効かなくなるのは何故か?』
講 師:賀来 満夫(東北大学・院・医) 地方部会に合わせてその他に2 回開催の予定
(4) 新薬理学セミナー2017 は開催予定無し.
(1) Journal of Pharmacological Sciences を全面電子体のオープンアクセス誌として刊行する.
・2017 年刊行予定:133 巻1~4 号,134 巻1~4 号,135 巻1~4 号,Supplement(The 90th Annual Meeting)
(2) 日本薬理学雑誌(くすりとからだ/ファーマコロジカ)の刊行
・2017 年刊行予定:149 巻1~6 号,150 巻1~6 号 計12 冊
(3) 会員相互の情報交換のために8 月に会員名簿を発行する.
(1) 江橋節郎賞
日本薬理学会名誉会員故江橋節郎先生の生命科学への貢献を末永く顕彰するため,江橋節郎賞を創設し,独創的,飛躍的な 業績をあげ,薬理学の進歩に大きく貢献した研究者に授与しているが,薬理学の振興という本賞創設の趣旨に則り,第10 回 より,これからますます発展が期待される若手研究者も受賞対象とすることを決定した.
・第10 回江橋節郎賞受賞者の受賞講演は,第90 回年会二日目の平成29 年3 月16 日に行われる.
池谷 裕二(東京大学大学院薬学系研究科)
『脳回路機能の可塑性と病態に関する研究』
・第11 回江橋節郎賞は5 月末日までに募集の公告をし,推薦の締切は8 月末日,江橋節郎賞選考委員会の選考を経て理事 会で決定する.
(2) 学術奨励賞
薬理学の進歩に寄与する顕著な研究を発表し,将来発展の期待される研究者に学術奨励賞を授与する.
・第32 回学術奨励賞受賞者3 名の受賞講演は,第90 回年会二日目の平成29 年3 月16 日に行われる.
金丸 和典(東京大学大学院医学系研究科細胞分子薬理学講座・助教)
『カルシウムイメージングで切り拓くアストロサイト機能』
佐々木拓哉(東京大学大学院薬学系研究科薬品作用学教室・助教)
『脳細胞ネットワークの機能動態とその破綻機構の解明』
塩田 倫史(岐阜薬科大学生体機能解析学大講座分子生物学研究室・准教授)
『ドパミンD2 受容体を介した細胞内シグナル伝達機構の解明』
・第33 回学術奨励賞は5 月末日までに募集の公告をし,推薦の締切は8 月末日,賞等選考委員会の選考を経た3 件以内の 候補者について理事会が決定する.
(3) JPS 優秀論文賞
過去3年間にJPSに掲載された論文の中で引用回数の多い順に毎年約10編の中から特に優れたものを選出し,その著者にJPS 優秀論文賞を授与する.
・第21 回JPS 優秀論文賞受賞2 編の授与式は第90 回年会二日目の平成29 年3 月16 日に行われる.
・第22 回JPS 優秀論文賞(本賞授賞の趣旨に則り)3 編以内を決定する.
(4) 年会優秀発表賞
年会学術集会への優れた発表を促し,学問的情報発信の場としての役割を高めるために第90 回年会で一般演題の中から優秀 な発表に対して,10~20 件の年会優秀発表賞を授与する.
(5) 優秀査読者賞
Journal of Pharmacological Sciences の査読者の質を向上させ,掲載論文の国際的価値を高めることに資する目的で5 名以 内にJPS 優秀査読者賞を授与する.
(1) 日本学術会議との連携 日本学術会議協力学術研究団体の一員である本会は,日本学術会議国際対応分科会の活動として国際連携を推進する.
(2) 生物科学学会連合との連携 加盟団体と情報を共有して「生物科学」の健全な発展に協力するために,定例会議に出席する.
(3) 国内の関連学術団体と連携して第90 回年会で共催シンポジウムを開催する.
・日本医学会連合との共催シンポジウム 平成29 年3 月16 日(第90 回年会二日目),長崎新聞文化ホール
「ミトコンドリア創薬-治療法の無い時代からの転換点-」
・日本臨床薬理学会との共催シンポジウム 平成29 年3 月16 日(第90 回年会二日目),長崎新聞文化ホール
「糖尿病の薬理/臨床薬理:新たな血糖調節メカニズムの解明とPrecision Medicine へのロードマップ」
・日本生理学会との共催シンポジウム 平成29 年3 月16 日(第90 回年会二日目),長崎新聞文化ホール
「痛み,痒み,しびれなどの感覚受容の分子機構に関する最先端研究」
(4) IUPHAR との連携及び国際薬理・臨床薬理大会(WorldPharma)
WCP2018 京都大会に向けてWCP2018 組織委員会の活動を本格化する.
(5) 発展途上国等の薬理学教育推進への協力について
発展途上国等の薬理学教育を推進するIUPHAR Education Project への援助を年間1 万ドル,3 年間の期限付きで行う.第1 回は平成28 年に既に送金済みで,平成29 年,平成30 年にも同額の援助を行う.
1 会 員
・平成28 年度末の会員数は平成27 年度末の会員数4,630 名から減少する見込みである.シニア割引制度を設け退職による 退会者を減少させること,海外からの入会申請もWeb 対応とし,会員数維持に向けた取り組みを続けている.
・新しい会員管理システムの構築により,学術集会参加登録と会員情報を連動させて利便性の向上に努める.これまで郵送 中心であった各種申請や賞ヘの応募等も規則との整合性を保ちながら電子申請に移行を予定.
2 業務執行体制の整備と強化
・代表理事1 名,業務執行理事3 名による執行体制で常務理事会を構成し,次期理事長を加え様々な課題に取り組んでいる.
3 社会に向けて
・公開講座を開催し,科学的で正確な薬理学的知識に基づいて,薬物に関する正しい知識を国民に対して広めること及び薬 理学の社会的重要性を国民に広く知ってもらうための啓発活動を継続する.
・倫理委員会規定を制定し,科学者の行動規範に反する不正行為の防止に取り組んでいる.
4 事務局体制について
・財務シミュレーションにより独自の学会事務局も維持可能との財政的裏付けが示されたことを受けて,財務状況の見直し を定期的に行うことを条件に2019 年度以降も事務局を存続させる方向で整備を進める.
平成29 年1 月より,会員管理業務は学会事務局内で行う.