東邦大学 医学部 生理学講座 統合生理学分野
理事長就任のご挨拶
この度,新たに理事長を拝命しました東邦大学医学部の赤羽悟美(あかはね さとみ)でございます.前期は,前理事長・ 谷内一彦先生の下,副理事長を務めさせて頂きました.今期の理事会におきまして,理事長に選出されました.
薬理学は,薬物治療および創薬の基盤として,また,創薬シーズの探索や前臨床試験における有効性の科学的実証において 重要な役割を担っています.
Covid-19 は社会活動に深刻な影響をもたらしました.一方で,デジタル・トランスフォーメーションの急速な進展をはじ め社会活動や教育・研究活動に変革をもたらしました.ワクチンや治療薬の開発が,アカデミアと製薬企業の研究者たちの精 力的な取り組みにより迅速に進められました.私どもは,パンデミックを人類が叡智と努力によって乗り越え,更なる進化に 繋げる過程を,身をもって体験しました.この経験を通して,日本薬理学会が果たすべき役割と研究領域や産官学の壁を越え た連携の重要性を再認識いたしました.
私どもは,本学会定款の「薬理学に関する学理及び応用の研究についての知識の普及,会員相互及び内外の関連学会との連 携協力を行うことにより,薬理学の進歩を図り,もってわが国の学術文化の発展に寄与することを目的とする」という趣旨に 則り,これまでの理事会の方針を継承し,さらに活発な学術研究活動を推進してまいります.
令和4(2022)年4 月23 日に開催された理事会において,今期の体制が承認されました.副理事長に橋本均教授(大阪大 院薬)が,総務,財務,編集,研究推進,広報,企画教育の各常置委員会の委員長に,それぞれ,古屋敷智之教授(神戸大院 薬),橋本均教授(大阪大院薬,副理事長と兼務),小泉修一教授(山梨大院医),津田誠教授(九州大院薬),山田清文教授(名 古屋大院医),南雅文教授(北大院薬)が就任しました.
新たな運営体制のもとに,薬理学会会員の皆様に活発で刺激的な学術活動の場を提供するべく,今期の活動目標として 「Diversity, Integration, Sustainability」という3つのキーワードを挙げ実行致します.
Diversity 「薬」の定義や「創薬」のモダリティは,生命科学や基礎医学の進展と科学技術の発展により多様化しつつあります.よっ て,研究の基盤となる学問領域は,生理学,解剖学,生化学,分子生物学,生物構造学,生物情報学,各疾患の臨床医学など 多肢に渡ります.本学会の特色は,「薬理学」に関わる基礎から臨床まで,さまざまなバックグラウンドと専門領域を有する 研究者が集っていることであります.この多様性を活かして,新たな知の出会いと創造のゆりかごとしての役割を果たして 参ります.
Integration 薬理学は,分子レベルから集団レベルまでの多階層に渡り,基礎から臨床までを繋げて理解すること追求する統合的な学 問分野であります.上記のDiversity で挙げた多様な背景を持つ会員の交流を促進することで,会員の知的好奇心を刺激し, 新たな研究構想や共同研究を触発し,学術研究活動の更なる発展を推進します.そのために,薬理学会年会および各部会にお ける画期的な学術プログラム企画を支援します.原著英文誌「Journal of Pharmacological Sciences」から世界に向けて質の 高い情報を発信し,総説和文誌「日本薬理学雑誌」は学会員に向けて有用な情報を提供して参ります.
産官学の連携を促進するべく,「オープンイノベーション活動」を推進致します.
Sustainability 健康・長寿社会の実現に貢献するべく,研究・教育活動の更なる活性化に向けて,次世代を担う薬理学研究者と薬理学教育 者の育成に注力いたします.さまざまな年齢・ジェンダー・環境の学会員が生き生きと研究・教育に力を発揮できるよう,背 中を押す取り組みを進めます.学会活動の持続性を支えるべく,会員数の確保,財政基盤の安定化,事務局運営体制の整備に 努めてまいります.
日本薬理学会は,2026 年に設立100 周年を迎えます.
本会の次の100 周年に向けて,会員の皆様とともに更なる発展を目指したいと考えております.
薬理学会会員の皆様におかれましては,引き続きご参画とご協力を賜りますよう,何卒,宜しくお願い申し上げます.
令和4 年5 月 赤羽悟美 東邦⼤学 医学部 ⽣理学講座 統合⽣理学分野