名誉会員

2022年

新名誉会員のご紹介 令和4年度通常総会において,本会名誉会員に次の9名の方が承認されました.

いしい くにあき

石井 邦明(いしい くにあき)

石井邦明先生は,1981年に東北大学医学部を卒業後,1986年に同大学大学院医学研究科の博士課程を修了され,同年4月に同大学医学部薬理学第二講座(平則夫研究室)の助手に就任されました.同年5 月からは米国スタンフォード大学(Ferid Murad 研究室)に留学され,帰国後の1988年からは京都大学医学部(中西重忠研究室)のもとに国内留学されました.

1995年に東北大学医学部の講師,1996年に山形大学医学部薬理学講座の助教授,2006年に同講座教授に就任されました.2021年3月に定年退職されるまで,電気生理学的あるいは分子生物的な実験手法を用いて種々のイオンチャネルの実体・特性の解明に取り組まれ,多くの業績を挙げられました.

日本薬理学会では,学術評議員,各種委員会委員,理事,第68回北部会長,IUPHAR が進めるPharmacology Educational Projectの編集委員などを歴任され,本学会や世界レベルの薬理学教育の発展に多大なる貢献をされました.

(文責:小原祐太郎)


きむら ひでお

木村 英雄(きむら ひでお)

木村英雄先生は,1980年に東京大学薬学部をご卒業後,防衛医科大学校薬理学講座(1980~1988 年),癌研究会がん研究所,米国ソーク研究所(1988~1999年)などで研究と教育に従事されたのち,1999年に国立精神・神経センター神経研究所遺伝子工学研究部部長,同・神経薬 理研究部部長,つづいて特任研究員として研究を推進してこられました.

こんにち,その重要性が国際的に周知されるに至ったシグナル分子としての硫化水素とポリサルファイドの研究は,木村先生によって見いだされ開拓され発展したと言っても過言ではありません.

1996年以来数多くの成果を発表され,2016年のトムソンロイターResearch Front Award 受賞の他,クラリ ベートアナリティクスのHighly Cited Researcher(2 回),Antioxidants & Redox SignalingのRedox Pioneer 賞など,国内外の数多くの研究関連の賞を受賞されました.

また,本学会にも2006年の学術評議員就任以来,理事や総務委員会委員などの活動を通じて多大な貢献をされました.19年からは,山口東京理科大学で薬学・薬理学の未来を支える後継者教育と研究推進にご活躍中です.

(文責:加藤 総夫)


ごしま よしお

五嶋 良郎(ごしま よしお)

五嶋良郎先生は,1982年に横浜市立大学医学部を卒業し,同年4 月に同大医学部薬理学教室に助手に就任された後,1991 年には同講師,1996 年には同助教授に就任されました.その間,東京都神経科学総合研究所,米国ハーバード大学,エール大学にて研究に従事されました.

1999年に横浜市立大学医学部薬理学教室教授に就任された後は,学内では同大大学院医学研究科修士専攻長,同医学研究科長,同大副学長などを歴任され,文科省魅力ある大学院教育イニシアチブ「臨床研究推進リーダー育成プログラム」の立案・施行の中心的役割を果たした他,構造生物学を専攻する生体超分子専攻と医科学専攻との融合を目指す生命医科学専攻の設置を副学長として提案・先導しました.

日本薬理学会では長きにわたり学術評議員を務められ,数々の委員を歴任された他,第131 回関東部会長,第93回日本薬理学会年会長を務められ,本学会の発展に多大なる貢献をされました.

(文責:安西 尚彦)


ささぐり としゆき

笹栗 俊之(ささぐり としゆき)

笹栗俊之先生は,1981年に九州大学医学部をご卒業後,1983年に大学院に進学し1987年に医学博士を取得されました.また1986年10月より2年間,オックスフォード大学薬理学部門に留学されました.1990年に国立循環器病センター研究所に移られ,1993年にバイオサイエンス部室長に就任されました.

2001年に九州大学大学院医学研究院臨床薬理学分野の教授に就任され,活発な研究活動を行う傍ら薬理学教育に対しても積極的に改革を行われました.

細胞性 粘菌由来分化誘導因子の抗腫瘍作用についての研究では,全く不明であったシグナル伝達経路 の解明に成功されています.日本薬理学会では理事,監事,JPS 編集委員などを務められ,第71回西南部会会長,第95回年会副会長を務められるなど,本学会の発展に多大なる貢献をされま した.

(文責:高橋 富美)


せきの ゆうこ

関野 祐子(せきの ゆうこ)

関野祐子先生は,1980年に東京大学薬学部をご卒業後,東京女子医科大学医学部に勤務され,1991 年に医学博士号を取得されました.その後,博士研究員として生理学研究所ならびに東京都神経科学総合研究所で研鑽を積まれ,1996年に群馬大学医学部にて助手・講師・助教授を務められ,2005年に東京大学医科学研究所に准教授として異動されました.

2010 年からは国立医薬品食品衛生研究所の薬理部長に着任し,2017年からは東京大学大学院薬学系研究科の特任教授に赴任されました.この間,ヒトiPS 細胞の創薬応用の国家プロジェクトを先導されるなど, 安全性・毒性試験法の開発にたずさわっておられます.

また,記憶学習メカニズムの解明をライフワークとし,同分野でも多大な業績を挙げられました.2016年に日本学術会議連携会員, 2017年に食品安全委員会専門委員,2019 年に米国NPO法人HESI の理事,その他複数の学術専門委員をされています.

2021年から,厚生労働省の指定薬物部会委員長に就任し,薬事・食品衛生審議会薬事分科会委員をお務めです.日本薬理学会会員歴は22年間,学術評議員を12年務めておられ,委員会委員は1期2年間,監事を1期2年間務められるなど,本学会の発展に多大なる貢献をされました.

(文責:池谷 裕二)


にしぼり まさひろ

西堀 正洋(にしぼり まさひろ)

西堀正洋先生は,1980年に岡山大学医学部を卒業後,同医学部薬理学講座助手,講師(この間に,カナダ・マニトバ大学医学部に留学),助教授を経て,2001年に岡山大学大学院医歯薬学 総合研究科薬理学教授に就任され,薬理学の教育・研究に尽力されました.

この間に,HMGB1 を標的とする単クローン抗体治療薬開発を発想され,脳卒中,脳・脊髄外傷,神経因性疼痛などの幅広い疾患病態に対する適応を見出されました.加えて,HMGB1 結合性血漿タンパク質 HRG を同定し,HRG減少による敗血症発症の機序を提案され,これらの業績に基づいて全国発明表彰や江橋節郎賞などを受賞されています.

また,日本薬理学会では理事や近畿部会長などを歴任され,本学会の発展に多大なる貢献を果たされました.

(文責:森 秀治)


まつき のりお

松木 則夫(まつき のりお)

松木則夫先生は,1974年に東京大学薬学部をご卒業後,同大学院薬学系研究科博士課程を修了され,1979年に東京大学薬学部助手に就任されました.1979年より米国留学(アイオワ大学, ノースウェスタン大学),帰国後は東京大学薬学部助手に復職し,1989年より同助教授を経て, 2005年に同教授に就任し,研究・教育にご尽力されました.

2017 年からは東京大学理事・副学長,2020年からは東京大学大学執行役として大学の運営にも携われております.

ミクロスコピックな視点とマクロスコピックな視点の両方を併せ持つ薬理学を謳い,神経可塑性の分野で独自な業績を挙げられました.日本薬理学会では,理事長1期2年間,理事5期10年間,学術評議員39年,委員会委員10期19年間,第81 回日本薬理学会年会年会長を務められるなど,本学会の発展に多大なる貢献をされました.

(文責:池谷 裕二)


みやた あつろう

宮田 篤郎(みやた あつろう)

宮田篤郎先生は,1981年に宮崎医科大学医学部をご卒業後,同大学大学院医学研究科に進学され,松尾壽之教授の下,生理活性ペプチド研究の研鑽を積まれました.1987 年から1989年には米国チューレン大学米日生物医学研究所へ留学され,有村章教授の薫陶を受けられました.

帰国後は,国立循環器病センター研究所生化学部・体液性調節研究室長を経て,2000年より鹿児島大学医学部薬理学講座(現・大学院医歯学総合研究科生体情報薬理学分野)教授,2022年からは同研究科DDS 創薬学共同研究講座特任教授として薬理学・創薬科学の研究・教育にご尽力されています.

この間,生理活性ペプチドとその特異的受容体に関する研究,特に下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド(PACAP)においては,その単離精製・構造決定,そして遺伝子構造解析に至るまで,一連の研究を世界に先駆けてなされました.

本学会では,学術評議員21年,理事3期6年,委員会委員7期14年に加え,第70回西南部会部会長,第95回年会長を務められ,本学会の発展に多大な貢献をされました.

(文責:栗原 崇)


やべ ちひろ

矢部 千尋(やべ ちひろ)

矢部千尋先生は,1980年京都府立医科大学をご卒業後,同大学院博士課程に進学,1981年薬理学教室助手(栗山欣弥教授),1985年に医学博士を取得されました.1984年より米国国立保健研究所(NIH)に留学後,1988年国立小児病院小児医療センターの研究員として帰国,中毒副作用研究室室長を経て1996年に京都府立医科大学薬理学教室教授に就任され,研究・教育に尽力されました.

先生は糖尿病合併症に関わるアルドース還元酵素のクローニングと大量発現系の確立に続き,その後展開された活性酸素産生酵素の研究でも阻害薬の開発と疾患治療への応用に道筋をつけられました.

本学会では理事4期,委員会委員7期,第124回近畿部会長を務められ,学会の発展とダイバーシティ推進に多大なる貢献をされました.

(文責:岩田 和実)

公益社団法人日本薬理学会