事業計画

事業計画(令和6年度)

Ⅲ.令和6 年度事業計画

ポストコロナの薬理学研究は、多様性と統合力を増し新たなステージへと扉を開きつつあります。

日本薬理学会は,薬理学会会員の旺盛な学術活動の場を提供するべく,今期の活動目標として「Diversity・Integration・ Sustainability」を掲げ、実行いたします.

  1. Diversity
     日本薬理学会の学術活動を活性化するために,学術団体(日本医学会・日本医学会連合・生物科学学会連合・日本脳 科学関連学会連合・日本学術会議 等)の活動を通じて他学会との学術交流を推進し,刺激的で活気あふれる学術活 動の場を提供いたします.
     世界における日本薬理学会の役割を認識し,IUPHAR(International Union of Basic and Clinical Pharmacology) をはじめ世界各国の薬理学会との国際的連携を発展させてまいります.若手研究者に国際的連携活動に関わる機会 と活躍の場を提供します.
  2.  Integration
     日本薬理学会の「知的資産」を継承し,薬理学会会員の学術活動に活用するべく,デジタル・トランスフォーメーシ ョン(DX)を推進いたします.
     薬理学会年会および各部会における画期的で独創的な学術プログラム企画を支援します.
     原著英文誌「Journal of Pharmacological Sciences」から世界に向けて質の高いサイエンスを発信します.総説和 文誌「日本薬理学雑誌」は完全オンライン化を目指し,充実したコンテンツを提供します.産官学の連携を促進する べく,「オープンイノベーション活動」を推進します.
  3. Sustainability
     次世代を担う薬理学研究者と薬理学教育者に活躍の場を提供し,人材育成に注力いたします.
     薬理学会会員がさまざまなライフイベントを通して学会活動を持続し活躍できるよう,支援する取り組みを進めま す.
     学会活動を支える財政基盤の安定化とサステナブルな事務局運営体制の整備を進めてまいります.

日本薬理学会創立100 周年に向けて更なる発展を目指して目標を実行する所存でございます.

会員の皆様のご理解と一層のご支援ご協力を賜りますよう,何卒,宜しくお願い申し上げます.

理事長 赤羽 悟美

1 薬理学研究の進展及び薬理学研究者育成のための学術集会及び講演会等の開催事業(公益目的事業1)

(1) 年会の開催

・なし

 (2) 地方部会の開催

7 回の地方部会を開催する.

・第144 回 日本薬理学会近畿部会 部会長:大野 行弘(大阪医科薬科大学・薬)
2024 年3 月20 日 大阪医科薬科大学薬学部阿武山キャンパス(大阪府)

・第150 回 日本薬理学会関東部会 部会長:上園 保仁(東京慈恵会医科大学・医)
2024 年6 月29 日 オンライン開催

・第145 回 日本薬理学会近畿部会 部会長:石原 熊寿(広島国際大学・薬)
2024 年7 月6 日 広島国際大学呉キャンパス(広島県)

・第 75 回 日本薬理学会北部会 部会長:平 英一(岩手医科大学・医)
2024 年9 月21 日 アイーナいわて県民情報交流センター(岩手県)

・第151 回 日本薬理学会関東部会 部会長:成田 年(星薬科大学・薬)
2024 年10 月12 日 星薬科大学(東京都)

・第 77 回 日本薬理学会西南部会 部会長:岩本 隆宏(福岡大学・医)
2024 年11 月16 日 福岡市美術館(福岡県)

・第146 回 日本薬理学会近畿部会 部会長:田中 智之(京都薬科大学・薬)
2024 年11 月30 日 京都薬科大学(京都府)

 (3) 市民公開講座の開催

科学的で正確な薬理学的知識に基づいて,薬物に関する正しい知識を国民に対して広めることおよび薬理学の社会的重要性 を国民に広く知ってもらうための啓発活動の一環として地方部会(第75 回北部会,第151 回関東部会,第77 回西南部会) と連動して市民公開講座を開催する予定である.

(4) 次世代薬理学セミナーの開催

日本の薬理学研究の活性化および国際プレゼンスの向上のため,意欲と能力のある若手を育成し,学会活動への積極的な参 画を促すため,若手研究者による若手研究者を対象の次世代薬理学セミナーを開催する.Web 配信により全会員が無料で視聴 できる.2024 年は第151 回関東部会および第75 回北部会に合わせて計2 回の開催を予定している.

(5) 看護薬理学カンファレンスの開催

会員数の少ない領域(保健学・看護系大学あるいは医療機関における教育研究者や看護識者など)に対し,薬理学会との交 流の機会を提供し,同時に本会の若手会員のキャリア開発を支援することにより,薬理学教育・研究の益々の発展に資する 企画として地方部会と協力し,看護薬理学カンファレンスを開催する.

第150 回関東部会および第12 回看護理工学会学術集会に合わせて2 回,公開セミナー等に合わせて2 回,計4 回の開催を予 定している.

(6) 新薬理学セミナー2024 の開催

・将来の薬理学分野の活性化や広がりに貢献できるDigital Pharmacology Conference (DPC)のコンセプトの更なる発展を目指 して,シン・薬理学セミナー2024 第3 回 "Digital Pharmacology Conference (DPC)"を第151 回関東部会時に開催する.

2 薬理学に関する学理及び応用の研究についての知識の普及を目的とし,学会誌等を刊行する事業(公益目的 事業2)

(1) Journal of Pharmacological Sciences を全面電子体のオープンアクセス誌として刊行する.

・2024 年刊行予定:154 巻1~4 号,155 巻1~4 号,156 巻1~4 号

(2) 日本薬理学雑誌(くすりとからだ/ファーマコロジカ)の刊行

・2024 年刊行予定:159 巻1~6 号 計6 冊(159 巻3 号(2024 年5 月号)より完全オンラインジャーナル化)

3 優れた業績をあげた研究者の表彰及び研究の一層の飛躍を期待した研究奨励のために,各賞を設置し,研究 者と研究業績を表彰する事業(公益目的事業3)

 (1) 江橋節郎賞

日本薬理学会名誉会員故江橋節郎先生の生命科学への貢献を末永く顕彰するため,江橋節郎賞を創設し,薬理学の進歩に貢 献した研究者に授与している.第17 回選考は「基礎」の研究領域で,推薦を受け付けた.

・第17 回江橋節郎賞受賞者の受賞講演は,第144 回近畿部会会期中(2024 年3 月20 日)に行われる.

上田 泰己(東京大学・院医・教授)
『哺乳類睡眠・覚醒リズムのシステムレベルの理解』

・第18 回江橋節郎賞は5 月末日までに「トランスレーショナルリサーチ・応用」の領域での募集を公告し,推薦締切は8 月 末日,江橋節郎賞選考委員会の選考を経て理事会で決定する.

(2) 学術奨励賞

薬理学の進歩に寄与する顕著な研究を発表し,将来発展の期待される研究者に学術奨励賞を授与する.

・第39 回学術奨励賞受賞者3 名の受賞講演は,第144 回近畿部会会期中(2024 年3 月20 日)に行われる.

鈴木 良明(名古屋市立大学・院薬・講師)
『カルシウムマイクロドメインによる血管機能制御機構の解明』

永安 一樹(京都大学・院薬・助教)
『情動抑制およびストレス抵抗性におけるセロトニン神経の役割に関する研究』

矢吹 悌(熊本大学・医・准教授)
『プリオン性タンパク質凝集機構の解明と創薬応用に関する薬理学的研究』

・第40 回学術奨励賞は5 月末日までに募集を公告し,推薦の締切は8 月末日,賞等選考委員会の選考を経た3 件以内の候補 者について理事会で決定する.

(3) JPS 優秀論文賞

JPS 優秀論文賞は,過去3 年間にJPS に掲載された論文の中から選出されてきたが,2022 年度以降は,授賞年度の前年1 年 間にJPS に掲載された原著論文の中から選考し,その著者に授与することを決定した.

・第28 回JPS 優秀論文賞受賞者および第29 回JPS 優秀論文賞受賞者に賞状と副賞を授与する.

・第30 回JPS 優秀論文賞3 編以内を決定する.

(4) 年会優秀発表賞

年会学術集会は非開催のため,選出・授与なし.

(5) 優秀査読者賞

Journal of Pharmacological Sciences の査読者の質を向上させ,掲載論文の国際的価値を高めることに資する目的で5 名以 内にJPS 優秀査読者賞を授与する.

4 薬理学及びわが国学術文化の進展・発展への寄与を目的とした,内外の関連学術団体との連携及び協力事業 (公益目的事業4)

(1) 日本学術会議との連携

日本学術会議協力学術研究団体として国内外の学術団体との連携を推進する.

(2) 日本医学会および日本医学会連合との連携

日本医学会および日本医学会連合の加盟学会として他学会と連携して医学・生命科学研究の推進と医学の発展に貢献する.

(3) 生物科学学会連合との連携

加盟団体と情報を共有して「生物科学」の健全な発展に協力するために,定例会議に出席する.連合の一員として,行政等へ の提言,働きかけを行う.

(4) 日本脳科学関連学会連合との連携

加盟団体の一員として,脳科学の発展ならびに普及を通して社会への貢献に協力する.

(5) 国内の関連学術団体と連携して年会で共催シンポジウム等を開催する.

(6) 海外の関連学術団体と連携して共催シンポジウム等を開催する.

(7) JPS-ASPET 講師交換プログラム

ASPET2024 Annual Meeting(2024 年5 月16~19 日,アリストン)に講師派遣予定

(8) NC-IUPHAR 委員派遣(パリあるいはエディンバラ)

 (9) 国際対応アソシエイツ運営と交流会

(10)運営および若手の参加支援

第25 回日韓薬理学合同セミナー(韓国)および15th APFP(オーストラリア・メルボルン)

5 薬理学エデュケーター認定制度(その他の事業)

優れた薬理学教育者を育成・支援し,薬理学の知識の普及および研究水準向上への貢献を目的として,薬理学エデュケータ ー認定事業を行っている.毎年,6 月1 日から30 日まで申請を受け付ける.

6 その他

1 会 員

・2023 年度末の会員数は2022 年度末の会員数3,805 名から若干,減少する見込みである.

2 業務執行体制について

・代表理事,業務執行理事,年会長,事務局で定期的にミーティングを開催し,事業の円滑な運営,理事会の業務執行に協力 する.

3 社会に向けて

・科学的で正確な薬理学的知識に基づいて,薬物に関する正しい知識を国民に対して広めることおよび薬理学の社会的重要 性を国民に広く知ってもらうため,公開講座をとおして啓発活動を行う.

・倫理委員会規定を制定し,科学者の行動規範に反する不正行為の防止に取り組んでいる.

4 事務局体制について

・常勤1 名,嘱託職員1 名(任期:2024 年3 月31 日),一部業務委託(株式会社エー・イー企画)による事務局新体制が発 足し,業務の引継ぎを進めている.

・職員の健康と生活を守るために「新型コロナウイルス対策に係る申合せ」を策定し,在宅勤務の環境を整備した.

公益社団法人日本薬理学会