事業計画

事業計画(令和7年度)

Ⅲ.令和7 年度事業計画

薬理学は,生体と薬物を含む生体内外の化学物質との関わりを個体から分子に至るレベルで明らかにする学問であり,薬理 学により生体の理解が進み,それが新たな薬理学を創るサイクルが回ることによって,生命の仕組みの解明,創薬,薬物治療の 発展に貢献してきました.日本薬理学会の定款では,その目的を「薬理学の進歩を図り,もってわが国学術文化の発展に寄与す ること」と定めており,この理念に沿った学会活動が行われてきており,今後もこれを継承した活動を進めて参ります.

さて,本会は2 年後の2027 年に設立100 周年を迎えるにあたり,100 周年記念事業を計画しています.本年度も引き続き, この記念事業の成功に向けた準備を行います.また,本会の重要な活動として,学術誌の出版事業があります.英文誌(JPS) は学術的価値の高い国際誌であり,引き続きJPS のステータスの一層の向上を目指します.日薬理誌は,会誌としての機能に加 え,学術的価値が高い優れた総説等を掲載しています.両誌ともにオープンアクセス化しており,学術面での社会貢献の意義が 大きく,今後も有用な情報を発信して参ります.年会,地方部会,市民公開講座,次世代薬理学セミナー,看護薬理学カンファ レンス等は本会の目的を達成するための重要事業であり,学術集会長・組織委員会との連携のもと,引き続き活発な学術集会の 開催を支援する体制を整備します.国内外の関連学会との連携協力を通して薬理学の進歩を図り社会に貢献することは,本会 の最も重要な活動であり,今後も継続して参ります.さらに,女性ならびに若手研究者も含めた学会活動の促進に取り組んでま いります.

なお,財政面では依然不安定であり,持続可能な学会運営への移行を図ります.本会の事務局については,業務を円滑に遂行 する体制の構築に努めます.

本会のさらなる発展を目指すため,会員の皆様のご理解と一層のご支援ご協力をお願いいたします.

理事長 橋本 均

1 薬理学研究の進展及び薬理学研究者育成のための学術集会及び講演会等の開催事業(公益目的事業1)

(1) 年会の開催

・第98 回 日本薬理学会年会(第130 回日本解剖学会・第102 回日本生理学会と合同開催,APPW2025)
年会長:赤羽 悟美(東邦大・医) 2025 年3 月17 日~19 日 幕張メッセ(千葉県)

(2) 地方部会の開催

6 回の地方部会を開催する.

・第147 回 日本薬理学会近畿部会 部会長:近藤 一直(藤田医科大学・医)
2025 年 6 月 7 日 ウインクあいち(愛知県)

・第152 回 日本薬理学会関東部会 部会長:山﨑 純(日本大学・資源)
2025 年6 月28 日 オンライン開催

・第 76 回 日本薬理学会北部会 部会長:谷村 明彦(北海道医療大学・歯)
2025 年10 月4 日~5 日 札幌市教育文化会館(北海道)

・第153 回 日本薬理学会関東部会 部会長:小泉 修一(山梨大学・院医)
2025 年10 月25 日 大村智記念学術館及び山梨大学(山梨県)

・第 78 回 日本薬理学会西南部会 部会長:池田 正浩(宮崎大学・農)
2025 年11 月8 日 宮崎大学錦本町ひなたキャンパス(宮崎県)

・第148 回 日本薬理学会近畿部会 部会長:冨田 修平(大阪公立大学・院医)
2025 年11 月29 日 大阪公立大学阿倍野キャンパス(大阪府)

(3) 市民公開講座の開催

科学的で正確な薬理学的知識に基づいて,薬物に関する正しい知識を国民に対して広めることおよび薬理学の社会的重要性 を国民に広く知ってもらうための啓発活動の一環として,地方部会等と連動して市民公開講座を開催する.第98 回年会,第 153 回関東部会,第78 回西南部会の計3 回の開催を予定している.

・市民公開講座(第98 回年会)2025 年3 月16 日 テーマ:「病は気からのサイエンス」 於:幕張メッセ2 階 日本解剖学会,日本生理学会とともに開催

 (4) 次世代薬理学セミナーの開催

日本の薬理学研究の活性化および国際プレゼンスの向上のため,意欲と能力のある若手を育成し,学会活動への積極的な参画を促すため,若手研究者による若手研究者を対象の次世代薬理学セミナーを開催する.Web 配信により全会員が無料で視聴 できる.第147 回近畿部会,第78 回西南部会に合わせて計2 回の開催を予定している.

・次世代薬理学セミナー2025 in 名古屋 2025 年6 月7 日 於:ウインクあいち&WEB 開催

 (5) 看護薬理学カンファレンスの開催

会員数の少ない領域(保健学・看護系大学あるいは医療機関における教育研究者や看護識者など)に対し,薬理学会との交 流の機会を提供し,同時に本会の若手会員のキャリア開発を支援することにより,薬理学教育・研究の益々の発展に資する 企画として地方部会等と協力し,看護薬理学カンファレンスを開催する.第98 回年会,第148 回近畿部会に合わせて計2 回 の開催を予定している.

・看護薬理学カンファレンス2025 in 幕張 2025 年3 月20 日 於:WEB 開催&オンデマンド配信

 (6) Digital Pharmacology Conference (DPC)の開催

将来の薬理学分野の活性化や広がりに貢献できるDigital Pharmacology Conference (DPC)のコンセプトのさらなる発展を 目指して,シン・薬理学セミナー第4 回Digital Pharmacology Conference (DPC)を第98 回年会時に開催する.

(7)「クスリがわかる」シリーズの開催

クスリの作用機序(基礎)から使い分け(臨床)までを網羅した講演を,医療職や学生を対象とし開催する.第98 回年会時 に6 つのテーマについて「基礎」と「臨床」の視点から3 日間を通して6 講演,開催する.

2 薬理学に関する学理及び応用の研究についての知識の普及を目的とし,学会誌等を刊行する事業(公益目的 事業2)

 (1) Journal of Pharmacological Sciences を全面電子体のオープンアクセス誌として刊行する.

・2025 年刊行予定:157 巻1~4 号,158 巻1~4 号,159 巻1~4 号

 (2) 日本薬理学雑誌(くすりとからだ/ファーマコロジカ)の刊行

・2025 年刊行予定:160 巻1~6 号 計6 冊

3 優れた業績をあげた研究者の表彰及び研究の一層の飛躍を期待した研究奨励のために,各賞を設置し,研究 者と研究業績を表彰する事業(公益目的事業3)

 (1) 江橋節郎賞

日本薬理学会名誉会員故江橋節郎先生の生命科学への貢献を末永く顕彰するため,江橋節郎賞を創設し,薬理学の進歩に貢 献した研究者に授与している.

・第19 回江橋節郎賞は5 月末日までに「基礎」の領域での募集を公告し,推薦締切は8 月末日,江橋節郎賞選考委員会の選 考を経て理事会で決定する.

(2) 学術奨励賞

薬理学の進歩に寄与する顕著な研究を発表し,将来発展の期待される研究者に学術奨励賞を授与する.

・第40 回学術奨励賞受賞者3 名の受賞講演は,第98 回年会会期中(2025 年3 月17 日,幕張)に行われる.

・第41 回学術奨励賞は5 月末日までに募集を公告し,推薦の締切は8 月末日,賞等選考委員会の選考を経た3 件以内の候補 者について理事会で決定する.

(3) JPS 優秀論文賞

JPS 優秀論文賞は,授賞年度の前年1 年間にJPS に掲載された原著論文の中から選考し,その著者に授与する.

・第29 回JPS 優秀論文賞受賞者および第30 回JPS 優秀論文賞受賞者に賞状と副賞を授与する.

・第31 回JPS 優秀論文賞3 編以内を決定する.

(4) 年会優秀発表賞

年会学術集会への優れた発表を促し,学問的情報発信の場としての役割を高めるために第98 回年会で一般演題の中から優 秀な発表に対して,10 件の年会優秀発表賞を授与する.

(5) 優秀査読者賞

Journal of Pharmacological Sciences の査読者の質を向上させ,掲載論文の国際的価値を高めることに資する目的で5 名以 内にJPS 優秀査読者賞を授与する.

4 薬理学及びわが国学術文化の進展・発展への寄与を目的とした,内外の関連学術団体との連携及び協力事業 (公益目的事業4)

 (1) 日本学術会議との連携

日本学術会議協力学術研究団体として国際連携を推進する.

(2) 日本医学会および日本医学会連合との連携

日本医学会および日本医学会連合の加盟学会として他学会と連携して医学・生命科学研究の推進と医学の発展に貢献する.

(3) 生物科学学会連合との連携

加盟団体と情報を共有して「生物科学」の健全な発展に協力するために,定例会議に出席する.連合の一員として,行政等へ の提言,働きかけを行う.

(4) 日本脳科学関連学会連合との連携

加盟団体の一員として,脳科学の発展ならびに普及を通して社会への貢献に協力する.

(5) 日本薬系学会連合との連携

専門性を有する薬系学会の相互交流と連携を図り, 薬と健康に関する科学及び技術の研究を促進することにより,薬学の水 準を向上させ,医療および健康増進に貢献する.

(6) 男女共同参画学協会連絡会との連携

学協会間での連携協力を行いながら科学・技術の分野において,女性と男性が共に個性と能力を発揮できる環境づくりとネ ットワークづくりを行い,社会に貢献する.

(7) 国内の関連学術団体と連携して年会で共催シンポジウム等を開催する.

(8) 海外の関連学術団体と連携して共催シンポジウム等を開催する.

・JPS-ASCEPT Lecture 第98 回年会会期中(2025 年3 月,幕張)に講師招聘.

・第10 回日中薬理学臨床薬理学ジョイントシンポジウム 第46 回日本臨床薬理学会学術総会会期中(2025 年12 月, 東京)に日本臨床薬理学会と共同開催.

・JPS-ASPET 講師交換プログラム 再開に向けた折衝を開始する.

・NC-IUPHAR 委員派遣 ・国際対応アソシエイツ運営と交流会 ・運営および若手の参加支援

5 薬理学エデュケーター認定制度(その他の事業)

 優れた薬理学教育者を育成・支援し,薬理学の知識の普及および研究水準向上への貢献を目的として,薬理学エデュケータ ー認定事業を行っている.毎年,6 月1 日から30 日まで申請を受け付ける.

6 その他

(1) 業務執行体制の整備と強化

・代表理事1 名,業務執行理事3 名による執行体制で常務理事会を構成し,様々な課題に取り組む.

(2) 社会に向けて

・科学的で正確な薬理学的知識に基づいて,薬物に関する正しい知識を国民に対して広めることおよび薬理学の社会的重要 性を国民に広く知ってもらうため,公開講座をとおして啓発活動を行う.

・倫理委員会規定を制定し,科学者の行動規範に反する不正行為の防止に取り組んでいる.

(3) 事務局体制について

・常勤1 名と外部委託職員にて,業務を遂行する.

公益社団法人日本薬理学会