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日薬理誌第129巻第1号 2007年1月

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アゴラ
3 
イキイキとした薬理学
成宮 周

特 集 ●動物実験指針●
5
日本薬理学会の奨める動物実験 -苦痛の評価と軽減-
「はじめに」および日本薬理学会の新動物実験指針
大野泰雄

13
苦痛の薬理学
佐藤公道

19
痛み・苦痛・安楽死の評価と基準
松田幸久

24
動物実験審査委員会での審議例
倉田知光、政本多美子、安原 一

31
実験動物施設の外部査察
黒澤 努


治療薬シリーズ(11)不眠症治療薬
35
不眠症治療薬開発の最前線
寺尾 晶、宮本政臣

42
不眠症薬物療法の臨床
田ヶ谷浩邦


創薬シリーズ(1)標的探索

47
ゲノム創薬の現状と今後の展望
高山喜好

51
バイオインフォマティクスの現状、 問題点および今後の展望
白井宏樹、小堀正人


キーワード解説
56
インバースアゴニスト(逆作用薬)
森島 繁、鈴木史子、村松郁延

59
ATP受容体
井上和秀

64
TRPチャネル
柴崎貢志、富永真琴


最近の話題
67
経口FXa阻害薬の抗血栓効果
芝野俊郎


リレーエッセイ vox nova
68
”記憶メカニズム”に魅せられた研究生活
森口茂樹

69
研究テーマは人との出会いから
小松生明

追 悼
1 渋谷健先生のご逝去を悼む  松宮輝彦

お知らせ
1A  
第22回学術奨励賞決定、事務局NEWS、ご投稿/ご寄稿の方へ
2A  募集、集会案内
3A  Calendar
4A  名誉会員、役員一覧
10-11頁 動物実験に関する日本薬理学会指針
12頁 執筆の手引き
46頁 次号予告
50頁 E-journalアクセス集計
55頁 安全性情報No.230
71頁 JPS 102:4目次、訂正

著者プロフィール
7, 18, 30, 34

部会抄録
1P 第57回北部会   元村 成
11P 第115回関東部会 小濱一弘

 

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●動物実験指針●
新動物実験指針
動物実験に対する社会の関心の高まりに伴い、平成17年6月に「動物の愛護及び管理に関する法律」が改正され、動物実験における3Rの原則が組み込まれた。また、文部科学省等の関連指針が改訂された。これらを考慮し、日本薬理学会は倫理的な動物実験を推進するために動物実験指針を改訂した.
(大野泰雄 日本薬理学会の奨める動物実験 -苦痛の評価と軽減-「はじめに」および日本薬理学会の新動物実験指針 p.5)

痛みとは
痛みとは? どんな種類の痛みがあるか? 言葉によるコミュニケーションが出来ない動物において痛みを評価するには? 現在でも臨床的に治療が難しい神経因性疼痛を研究するための動物モデル、感覚としての痛みおよび痛みに伴う負の情動の成立機序、特に後者と扁桃体の関連について、筆者の独断と偏見を交えて、紹介・概説した.
(佐藤公道 苦痛の薬理学 p.13)



痛みの評価と基準
平成18年6月に改正動物愛護管理法が施行された。それにともない新たに形成されたわが国の実験動物・動物実験の規制に関する枠組みを紹介した。また、適正な 動物実験を実施する上で、研究者が動物実験計画書を作成する際に、さらに研究者から提出された計画書を動物実験委員会が審査する際に、動物が被る苦痛の評価・基準が重要となる。その評価・基準の参考として国動協が作成したSCAWの苦痛分類に関する解説を紹介した.
(松田幸久 痛み・苦痛・安楽死の評価と基準 p.19)

動物実験審査委員会の役割
動物実験計画書の審査の実際に関して、昭和大学において過去5年にわたって行われてきた事例をもとに概説した。動物実験計画書の申請受付から審査会議にかかるまでの過程、審査会議が行われた実際の計画内容についての修正依頼、修正前後の記載内容、審査の際に重点的に審議される倫理的配慮、実験計画の記載事項、実験動物の選択、使用数決定の根拠などについて、実際に申請された計画書の事例を紹介した。また、現在抱えている問題点や今後の課題などについても概説した.
(倉田知光 動物実験審査委員会での審議例 p.24)


実験動物施設の外部査察
我が国の研究施設では外部監査は行われてこなかった。国立大学の法人化と研究体制の透明化が求められ、各研究機関は外部監査を受け入れ始めている。実験動物施設では高度な動物実験が行われている。欧米では科学者が組織した実験動物施設認定協会(AAALAC International)が外部監査と認定を行っている。実験動物福祉の立場から、また動物実験反対運動に対応するために外部監査は必要である.
(黒澤努 実験動物施設の外部査察 p.31)




●治験薬シリーズ(11)不眠症治療薬●
最新の不眠症治療薬開発
新規不眠症治療薬を作用機序の面から6つに分類し、それぞれの特徴を分かりやすく概説すると共に、海外での臨床開発状況を紹介する。1)既存GABA-A受容体作動薬の改良型製剤、2)サブタイプ選択的GABA-A受容体作動薬、3)メラトニンMT1/MT2受容体作動薬、4)ヒスタミンH1受容体拮抗薬/逆作動薬、5)5-HT2A受容体拮抗薬/逆作動薬、6)オレキシン受容体拮抗薬.
(寺尾晶 不眠症治療薬開発の最前線 p.35)

不眠症薬物療法の臨床
睡眠薬治療は不眠の原因に対する治療ではない.不眠の原因の検索をせず,不眠の訴えに対して一律に睡眠薬を処方することは誤りであり,危険でもある.「眠れないときだけ服用してください」という服薬指導は,不眠への不安を強化し、かえって不眠を長期化させ,睡眠薬の用量を増加させる.臨床で見られる不眠とその薬物療法について解説する.
(田ヶ谷 浩邦 不眠症薬物療法の臨床 p.42)

●創薬シリーズ(1)標的探索●
ゲノム創薬の現状と今後
21世紀初頭、国際的なゲノムプロジェクトにより、ヒトゲノムの全情報がほぼ明らかとなった。またcDNAアレーの飛躍的進歩によりトランスクリプトームとよばれる網羅的な遺伝子発現情報解析からの創薬探索が行われてきた。これらの遺伝子情報や手法は創薬研究にどのような影響を与えたか、今後どのように利用されていくかを概説する.
(高山喜好 ゲノム創薬の現状と今後の展望 p.47)

バイオインフォマティクスの現状と今後
様々な生物情報が溢れている今日、バイオインフォマティクスの重要性が向上しているが、本分野は非常に広大で、かつ進展速度が速いため、外観すら掴むことが困難とされている。そこで、創薬におけるバイオインフォマティクスの現状と問題点、および将来への展望を記述する。とくに仮説立案の重要性を具体例をもとに記述する.
(白井宏樹 バイオインフォマティクスの現状、問題点および今後の展望 p.51)

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