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日薬理誌第132巻第6号 2008年12月

目次 ハイライト top


アゴラ
2008年の感動と薬理学
松田敏夫 --- 327


実験技術
視床下部-下垂体-副腎皮質系過活動モデルを用いた治療抵抗性うつ病モデルの作製および薬効評価
北村佳久、四宮一昭、五味田 裕 --- 329

鎮咳活性評価法-気道粘膜の局所的器械的咳刺激法と局所的化学的咳刺激法-
高濱和夫、江藤(和工田)郁子 --- 334


治療薬シリーズ(32)標的分子薬-3-②

Imatinibの成功に学ぶ分子標的治療薬の現状と将来
山田  尚 --- 339

創薬シリーズ(3)その3 化合物を医薬品にするために必要な安全性試験
血液毒性
岩瀬裕美子、筒井尚久 --- 343

肝毒性
寺西宗広、真鍋  淳 --- 347

新薬紹介総説
新規抗精神病薬ブロナンセリン(ロナセンR)の薬理作用と臨床効果
石橋  正、西川弘之、釆 輝昭、中村  洋 --- 351

HIVプロテアーゼ阻害薬ダルナビルエタノール付加物 (プリジスタR錠 300 mg)の薬理学的特徴および臨床試験成績
岩田理子、吉田慎哉、原田  寧 --- 363

キーワード解説
遊離脂肪酸受容体
平澤 明、辻本豪三 --- 370

PAF受容体
和泉孝志 --- 373

最近の話題
遺伝子改変ラットの作製システム
庫本高志 --- 376

アンジオポエチン関連増殖因子AGF
田畑光久、尾池雄一 --- 377

表現型からみた受容体サブタイプ
鈴木史子、村松郁延 --- 379

リレーエッセイ
実験の楽しさ
山室晶子 --- 380

世界で通用する新薬創出を目指して
松田貴久 --- 381

 

追悼文 
323頁  
野本照子先生のご逝去を悼む
塚原富士子

325頁  
小池勝夫先生のご逝去を悼む
田中芳夫

お知らせ
41A   優秀論文賞選考案内、訃報
41A   募集
42A   集会案内
43A   Calendar
44A   執筆の手引き
45A   次号予告
46-47A JPS 108:3目次
48A   役員一覧
i-8頁  安全性情報No.251

著者プロフィール
333

132巻索引


 

 

 

ハイライト 目次 top

実験技術
治療抵抗性うつ病モデル
うつ病治療において既存の抗うつ薬では改善されない治療抵抗性うつ病の存在が臨床上問題とされている。この治療抵抗性うつ病に対する有効な薬物の創薬研究および病態像解明には動物モデルの開発が必須である。そこで、著者らは視床下部-下垂体-副腎皮質系の過活動モデルが治療抵抗性うつ病の動物モデルとして有用であることを明らかにした。本稿では本モデルに対する抗うつ薬の作用および病態像について紹介する.
(北村佳久 視床下部-下垂体-副腎皮質系過活動モデルを用いた治療抵抗性うつ病モデルの作製および薬効評価 p.329)

鎮咳活性評価法
慢性咳嗽のような鎮咳薬が奏功しにくい咳が増加しつつあり、すぐれた鎮咳薬の開発が望まれている。このためには従来の鎮咳薬が効きにくい慢性咳嗽モデルの開発が不可欠である。本稿では、咳発現に関わる下気道求心性神経の分布とその性質を踏まえて、我々が独自に開発した2つの咳刺激法、すなわち局所的器械的咳刺激法と局所的化学的咳刺激法について、その技法と有用性について解説する.
(高濱和夫 鎮咳活性評価法 -気道粘膜の局所的器械的咳刺激法と局所的化学的咳刺激法- p.334)

治療薬シリーズ(32) 標的分子薬-3-②
Imatinibと分子標的治療薬の現状と将来
一つの薬の出現は疾患概念を基本的に塗り替えることがある。Imatinibは間違いなくそのような薬である。慢性骨髄性白血病患者の予後に、そしてQOLの改善に大きく貢献したばかりではなく、慢性骨髄性白血病分子病理の解明にも寄与した。しかし、imatinibの成功は次なる課題を我々に突きつけた。真に、慢性骨髄性白血病患者はimatinibによって治癒を得ることができるのかどうかである。Imatinibの成功の理由を振り返り、将来的問題に対して何ができるかを考えてみたい.
(山田尚 Imatinibの成功に学ぶ分子標的治療薬の現状と将来 p.339)

創薬シリーズ(3)その3 化合物を医薬品にするために必要な安全性試験⑨
血液毒性
薬物誘発性の代表的な血液毒性として,貧血,白血球減少,血小板減少が知られている.医薬品の非臨床試験では,実験動物の末梢血を用いた血液学的検査が一般的に行なわれている.また、フローサイトメトリーを用いた造血系細胞の解析や造血系細胞のin vitro評価が行なわれる場合もある.これら血液毒性を評価する方法を中心に紹介する.
(岩瀬裕美子 血液毒性 p.343)

肝毒性
薬剤誘発性肝障害は開発中止や市販後に警告,販売中止に至る主要な有害事象である.特に,市販段階に至って初めて検出されるような特異体質性肝毒性に関しては,通常の毒性試験で検出できないこともあり,患者,医療者,当局,製薬企業の関心も高い.このような肝毒性の分類,表現型,評価法等を概説する.
(寺西宗広 肝毒性 p.347)

新薬紹介総説
新規抗精神病薬ブロナンセリン(ロナセンR
ブロナンセリンはドパミン-セロトニンアンタゴニストと呼ぶべき特徴を有し、ドパミンD2およびセロトニン5-HT2A受容体に選択性の高い極めてシンプルな受容体結合特性を示す。この特性に基づく高い治療有用性により、本薬は統合失調症治療のfirst-line drugとして位置付けられることが期待される。本稿では、ブロナンセリンの薬効薬理試験や臨床試験などの成績を紹介する.
(石橋 正 新規抗精神病薬ブロナンセリン(ロナセンR)の薬理作用と臨床効果 p.351)

HIVプロテアーゼ阻害薬ダルナビルエタノール付加物 (プリジスタR錠)
ダルナビルは新規HIVプロテアーゼ阻害薬である。本薬は,既存のプロテアーゼ阻害薬に耐性を示すHIVウイルスの増殖を強力に抑制し,且つ,新たな薬剤耐性を生じにくいという特性を有しており,多剤耐性ウイルスの出現が問題視されるHIV感染症の治療において大きな期待を持たれている。本薬の薬理学的特徴と臨床試験成績を紹介する.
(岩田理子 HIVプロテアーゼ阻害薬ダルナビルエタノール付加物 (プリジスタR錠 300 mg)の薬理学的特徴および臨床試験成績 
p.363)

 


 

 

 

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