日薬理誌第133巻第5号 2009年5月
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アゴラ
私の薬理 井上和秀 ---245 受賞者講演総説 ヒト新規小胞体タンパク質HRD1の神経変性疾患治療に関する薬理学的基盤研究 胎仔由来神経保護物質セロフェンド酸の発見と作用機序の解析
実験技術
創薬シリーズ(4) 化合物を医薬品にするために必要な薬物動態試験(その1)吸収①② 創薬における物性評価と薬物吸収
新薬紹介総説
酸化LDL受容体LOX-1 最近の話題 リレーエッセイ
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受賞講演総説 ◆内耳蝸牛内高電位の成立機構の解明 内耳蝸牛を満たす内リンパ液は、+80 mVを示す特殊な細胞外液である。この電位は、「蝸牛内高電位」と呼ばれ、音受容を増幅する「生体電池」として機能するため、聴覚に必須の要素である。また、その障害が難聴を惹起する。近年、蝸牛内高電位の成立機構が、ほぼ明らかになった. (日比野 浩 内耳蝸牛内高電位の成立機構の解明 p.247) ◆ヒト新規小胞体タンパク質HRD1の同定と機能解明 受賞者らは,小胞体タンパク質分解系ERADに関わる遺伝子として,ヒト新規ユビキチンリガーゼHRD1を同定した.HRD1はAPP(アルツハイマー病関連アミロイドβの前駆体タンパク質)およびPael受容体(パーキンソン病関連タンパク質)を分解促進し,神経細胞死を抑制する.また,アルツハイマー病患者脳でHRD1タンパク質量が減少していることから,HRD1の神経変性疾患治療薬としての可能性を考察する. (金子雅幸 ヒト新規小胞体タンパク質HRD1の神経変性疾患治療に関する薬理学的基盤研究 p.252) ◆セロフェンド酸の発見と作用機序解析 多様な脳疾患に関与しているグルタミン酸神経毒性を制御する内在性神経保護因子の探索を進め、ウシ胎仔血清から新規の神経保護活性物質セロフェンド酸の単離に成功した。セロフェンド酸の発見に至った経緯とその薬理作用について最新の研究成果をもとに概説する. (久米利明 胎仔由来神経保護物質セロフェンド酸の発見と作用機序の解析 p.257) 実験技術 創薬シリーズ(4)化合物を医薬品にするために必要な薬物動態試験(その1)吸収①② 新薬紹介総説 ◆下痢型過敏性腸症候群治療薬 ラモセトロン塩酸塩(イリボーR錠)
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