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日薬理誌第135巻第5号 2010年5月

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アゴラ
薬理の強みは総合力
唐沢 啓 ---177

総 説
三量体Gタンパク質シグナリングを介した心不全発症の分子機構
西田基宏、大場三奈、仲矢道雄、黒瀬 等 ---179

実験技術
Whole Body Plethysmographによるカニクイザルの呼吸機能測定
直 弘、佐々木一暁、小田切則夫、今泉真和、安東賢太郎 ---185

創薬シリーズ(5) トランスレーショナルリサーチ ①
本邦におけるトランスレーショナルリサーチのあゆみと今後の展望
大野隆之、永井洋士、福島雅典 ---190

新薬紹介総説
バレニクリン酒石酸塩(チャンピックスR 錠 0.5 mg・1 mg)の薬理学的特徴および臨床試験成績
檜杖昌則、石橋太郎、野村俊治 ---194

新規経口そう痒症改善薬ナルフラフィン塩酸塩(レミッチR カプセル2.5μg)の特徴および臨床試験成績
中尾 薫、安藤晃裕、平形美樹人、安藤直生、竹下浩一郎、宮本庸平、望月英典 ---205


キーワード解説
アグリン    
小林英幸、森井宏幸 --- 215

分泌性ホスホリパーゼA2
村上 誠 ---217

最近の話題
ネクローシスを抑制する脳保護タンパク質プロサイモシンα
植田弘師 ---219

歯周病と循環器疾患
和田孝一郎 ---220

リレーエッセイ
よくばりなリサーチライフ
丹羽美苗 ---221

 

お知らせ
前綴込  第84回年会案内(1報)
前綴込  年会優秀発表賞受賞者
33A 学術奨励賞および助成事業公募、訃報
34-35A  日本薬理学会・女性会員の現状に関するアンケート調査の結果報告
36-85A  日本薬理学会報告
86A 集会案内、募集、安全性情報No.267
87A  Calendar
88-89A  JPS112:4目次、次号予告
90A  役員一覧
222頁 執筆の手引き

著者プロフィール
183


 

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総説
Gタンパク質と心不全
圧負荷などのストレスに持続的に曝された心臓は肥大して機能を代償しようとする.しかし,この代償機構はストレスが除かれないと破綻し,心臓は心不全へと移行する.心肥大・心不全に関わっている分子として神経体液性因子が知られている.神経体液性因子の多くはGタンパク質共役型受容体を介して作用を発揮する.ここでは,受容体と共役するGタンパク質が心肥大・心不全形成にどのような役割を果たすかについて紹介する.
(西田基宏 三量体Gタンパク質シグナリングを介した心不全発症の分子機構 p.179)

実験技術
カニクイザル呼吸機能測定法
Whole Body Plethysmograph法による呼吸機能の検討では従来はラット、マウスを用いることが一般的であったが、我々はカニクイザル用の装置を考案した。この装置を用いれば動物を傷つけることなく長期間、繰り返し呼吸機能の測定が可能で、血圧や心電図を測定できる送信機を事前に体内に埋め込んだ動物を用いれば、呼吸機能測定と同時にこれらパラメーターの測定も可能である.
(直 弘 Whole Body Plethysmographによるカニクイザルの呼吸機能測定 p.185)

創薬シリーズ(5) トランスレーショナルリサーチ①
トランスレーショナルリサーチのあゆみと展望
わが国における医学領域の国際競争力を維持・進展させるためには,アカデミアの担う役割は極めて大きい。アカデミアにおいて基礎研究で得られた成果を臨床応用し実用化させるため,トランスレーショナルリサーチ(TR)センターの設置・整備が進められている。今後,各アカデミアにおいてTRセンターが完成・強化され,ネットワーク化することでTRが加速し,画期的な治療法を早期に医療現場へ還元することが期待される.
(大野隆之 本邦におけるトランスレーショナルリサーチのあゆみと今後の展望 p.190)

新薬紹介総説
禁煙補助薬 バレニクリン酒石酸塩

バレニクリンはニコチン依存に寄与するα4β2ニコチン性アセチルコリン受容体に選択性の高い部分作動薬である。作動薬として禁煙に伴う離脱症状やたばこへの切望感を軽減すると同時に,拮抗薬としてニコチンを遮断して喫煙の満足感を得にくくすることで効果的に喫煙習慣を抑制すると期待され,ニコチン依存症の喫煙者に対する禁煙補助薬として開発された。本稿ではバレニクリンの薬理学的特徴および臨床試験成績を紹介する.
(檜杖昌則 バレニクリン酒石酸塩(チャンピックスR 錠0.5 mg・1 mg)の薬理学的特徴および臨床試験成績  p.194)

経口そう痒症改善薬 ナルフラフィン塩酸塩
レミッチR カプセル2.5 μgは、選択的なオピオイドκ受容体作動薬であるナルフラフィン塩酸塩を有効成分とし、血液透析患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)を効能または効果とする世界初の経口そう痒症改善薬である。本稿ではナルフラフィン塩酸塩の薬理学的特徴、薬物動態学的特徴、薬物依存性試験成績および臨床成績を紹介する。
(中尾薫 新規経口そう痒症改善薬ナルフラフィン塩酸塩(レミッチR カプセル2.5 μg)の特徴および臨床試験成績 p.205)

 

 

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