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日薬理誌第138巻第3号 2011年9月

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アゴラ
基礎と臨床の橋渡し研究者の育成
光山勝慶 --- 95

特集: アジアにおける動物実験代替法の展開
序文 吉山友二 --- 97

1:薬理学における動物実験代替法研究の重要性
大野泰雄 --- 99

2:動物実験代替法における国際協調
小島肇夫 --- 103

3:アジアにおける動物実験代替法の現状
黒澤 努 --- 108

総説
Rhoキナーゼ阻害薬
瀬戸 実,浅野敏雄 --- 112

実験技術
phMRI (pharmacological MRI): 薬剤開発におけるfunctional MRI (fMRI) の応用について
余川 隆 --- 117

新薬紹介総説
新規アルツハイマー型認知症治療薬ガランタミン(レミニール®)の薬理学的特性および臨床試験成績
梛野健司,敷波幸治,齋藤隆行,原田 寧 --- 122

キーワード解説
グリア型グルタミン酸トランスポーター
佐藤 薫 --- 127

最近の話題
ミトコンドリア活性酸素の生理的役割
西田基宏 --- 129

細胞膜エストロゲン受容体GPER/GPR30はなぜ小胞体で見つかったのか!
水上洋一 --- 130

ニコチンの神経新生効果
宝田剛志,米田幸雄 --- 131

リレーエッセイ
研究を通して学ぶ日々
濱田幸恵 --- 132


新教授紹介

88A 石毛久美子,大野行弘

お知らせ
前綴込  払込取扱票,
       第85回年会案内(第2報)

13A  学術評議員候補者紹介,訃報
14-85A  日本薬理学会報告
86A  第4回江橋節郎賞を受賞して
87A  実験薬理学「実践創薬薬理学」の刊行
89A   集会案内,安全性情報No.281
90-91A  Calendar,次号予告
表2対向  執筆の手引き
広告第1頁  JPS 116:4 目次
表3  役員一覧

著者プロフィール
102, 107, 111, 121

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特集:アジアにおける動物実験代替法の展開
薬理学研究を実践するうえで代替動物実験の展開は重要かつ土台となる知識である.「アジアにおける動物実験代替法の展開」に関する総説が動物実験代替法の実効的な展開に資することを期待する.(吉山友二 序文p.97)

薬理学における動物実験代替法研究の重要性
薬理学研究において動物実験は必須である.しかし,現在では3Rsの原則に則り適正に実施することが法的に求められている.薬理学が今後も社会のサポートを得,継続して発展していくためには,関連法規制を遵守し,動物実験を行う機関,施設,機材および人材を整備し,代替法について研究者教育を行うとともに,それらの適切性について第三者により評価を受けることが重要である.(大野泰雄 p.99)

動物実験代替法における国際協調
動物実験代替法の開発促進のために各国に設立されたバリデーションセンターの協調促進のため,2009年に日米欧カナダの参加で,代替試験法協力国際会議(ICATM: International Cooperation on Alternative Test Methods)の覚書が交わされ,2011年には韓国も参入することになった.このICATMの傘下での国際協調推進に関して,日本動物実験代替法評価センター(JaCVAM:Japanese Center for the Validation of Alternative Methods)の活動状況および今後の国際対応をまとめた.(小島肇夫 p.103)

アジアにおける動物実験代替法の現状
国際的な動物実験代替法(3Rs)への関心の高まりは,科学界だけでなく産業界にも大きな影響を与えている.とくに実験動物福祉の立場からの国際標準,各国法律,関連指針にはことごとく3Rsが強調されている.またその実効ある方策が現実問題としてとられている.我が国での体制作りも緊急性を要する.(黒澤 努 p.108)

総説
Rhoキナーゼ阻害薬
創薬の分子標的としてタンパク質リン酸化酵素は最近ますます注目され,精力的に治療薬の開発研究が行われている.日本発であり,その先鞭をつけたRhoキナーゼ阻害薬について,ヒトに投与された成績を中心に,その治療薬としての可能性について述べる.(瀬戸 実 p.112)

実験技術
phMRI (pharmacological MRI): 薬剤開発におけるfunctional MRIの応用
脳研究に欠かせない方法として発達したfMRI(機能MRI)を中枢疾患治療薬開発における客観的な創薬バイオマーカー探索技術として創薬研究に応用する動きが活発化している.この創薬研究に特殊化したfMRIはphMRIと呼ばれており,その利用により,ターゲットバリデーション,中枢におけるオフターゲット効果,副作用ならびに治療濃度域の評価など早期の中枢への効果,早期のコンセプトの評価,患者の層別化,ドージングの最適化(投薬計画),レスポンダー識別等に関し信頼性の高いバイオマーカーが得られている.本稿ではphMRIのコア技術としてのfMRIを概説し,phMRIの特徴や可能性を紹介する.(余川 隆 p.117)

新薬紹介総説
新規アルツハイマー型認知症治療薬ガランタミン(レミニール®)の薬理学的特性および臨床試験成績
ガランタミン(レミニール®)は,国内2剤目のアセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害薬として,アルツハイマー型認知症(AD)における認知症症状の進行抑制の適応症を取得した.ガランタミンの作用機序は,AChEに対する阻害作用に加え,ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に対してアロステリック活性化リガンドとして作用し,nAChRに対するAChの作用を増強させる.AD患者を対象とした臨床試験では,認知機能障害に対する優れた有効性が示され,忍容性も良好であった.(梛野健司 p.122)

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