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日薬理誌第138巻第6号 2011年12月

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アゴラ
薬と人権—個人使用の自由
吉岡充弘--- 225

特集: 創薬標的としてのイオンチャネル・トランスポーターの新たな研究法・探索法
序文 今泉祐治,金子周司 --- 227

1:イオンチャネル標的創薬におけるHTSの現状と展望
藤井将人,大矢 進,山村寿男,今泉祐治 --- 229

2:ゼブラフィッシュ心臓の膜電位動態を可視化する
筒井秀和,東島眞一,宮脇敦史,岡村康司 --- 234

3:トランスポーター・チャネル活性を電気生理学的に測定する自動化システム
金子周司 --- 239

創薬シリーズ6 臨床開発と育薬 (3) (4) (5)
臨床研究と治験をめぐる最近の話題
黒川達夫--- 244

Asian試験に向けて—2007年9月28日の“ゴング”—
一木龍彦--- 248

新薬の製造販売承認と承認審査を科学する
小野俊介--- 252

キーワード解説
Wntタンパク質の修飾
高田慎治--- 256

トロンビン受容体拮抗薬
平野勝也--- 258

最近の話題
スルホニル尿素薬の新たな標的分子
柴崎忠雄、清野 進--- 260

BH4の新しい生理機能と作用機序
一瀬(鷲見)千穂、近藤一直--- 261

サイエンスエッセイ
笑いと内皮
戸田 昇--- 262

リレーエッセイ
発見するための目
金丸和典 --- 263

お知らせ
109A  優秀論文賞選考案内,次号予告,訃報
110A  第2回理事会報告
111A  Calendar  
112A  安全性情報No.284
264頁  執筆の手引き
広告第1頁  JPS117:3目次
表3   役員一覧

著者プロフィール
243

138巻索引

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特集:創薬標的としてのイオンチャネル・トランスポーターの新たな研究法・探索法
本特集は、イオンチャネル・トランスポーターを創薬標的とするスクリーニング法の現状を簡単に示すとともに、新たな高効率探索法に繋がる可能性を秘めた斬新な基礎研究・応用研究、およびより実際的な新探索法研究の成果を紹介し、イオンチャネル・トランスポーター標的創薬探索法の進展に資することを目的とした。(今泉祐治 序文 p. 227)

イオンチャネル標的創薬におけるHTSの現状と展望
現在汎用されているイオンチャネル標的創薬スクリーニング法を概観し、高効率化の進む自動化パッチクランプ機の現時点での有用性を他の方法と比較するとともに、それらの方法のスループットやコストパフォーマンスに関する問題点を整理した。さらにより簡便なスクリーニング法の可能性について言及した。(藤井将人 p. 229)

ゼブラフィッシュ心臓の膜電位動態を可視化する
ゼブラフィッシュの幼魚は透明で、生きたまま心臓を観察することができる。本稿では、膜電位動態という、「機能」を可視化する新技術を紹介する。薬物の副作用や遺伝子の異常は、時に心機能に重篤な影響を及ぼす。その関連性の発見などの創薬研究や医薬品安全性の検証への応用の可能性も本新技術には期待できる。(筒井秀和 p. 234)

トランスポーター・チャネル活性の電気生理学的測定自動化システム
電気生理の基本技術がなくても微小なトランスポーターあるいはイオンチャネル電流を安定して測定できる装置がドイツで開発された。この装置は、細胞膜標本を電極に固定化して透過電流を検出するので、細胞内小器官の膜輸送タンパク質にも適用できる。その日本導入第1号機を用いた測定の実例を紹介する。(金子周司 p. 239)

創薬シリーズ 6 臨床開発と育薬 (3), (4), (5)
臨床研究と治験をめぐる最近の話題
わが国では、ヒトを対象とした試験研究は、承認取得に向けた「治験」と医師等が自主的に施設内等で行う「臨床研究」の二本立てとなっている。臨床研究は精粗まちまちの質と乏しい信頼性に悩み、治験はリジッドな制度や経費に悩んでいる。先進国ではヒト対象の試験研究は単一の制度下に置かれている。臨床での試験研究の質向上や国際水準を目指し、国を含めた議論が始まっている。その現状と方向性を探る。(黒川達夫 p. 244)

Asian試験に向けて
治験は製薬会社が許可を得るためにだけ行うものと考えられていたのが、ここ20年の歴史をみても、病気に対するEBM、対応策と考えられるようになってきた。患者は自分たちの病を知り、家族はそれを認知しながら支えるようになった。患者団体がアジア試験や国際共同試験に積極的に働きかけて日本からの参加が多くなりつつある。そんな環境下でアジア試験や国際共同試験が有効にできるように整えて行かなくてはならない。(一木龍彦 p. 248)

新薬の製造販売承認と承認審査を科学する
承認審査をはじめとする医薬品の規制に求められる科学の考え方を新薬開発、承認審査の具体的なトピックを例に挙げて解説する。「レギュラトリーサイエンス」という漠とした概念に逃げることなく、歴史ある社会科学の諸分野に学んだ、地に足のついた規制科学を提案する。(小野俊介 p. 252)

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