日本薬理学雑誌 > バックナンバー >

日薬理誌第139巻第3号 2012年3月

目次 ハイライト top

アゴラ
ゆっくりと流れる大学の時間
田中 光 --- 91

総説
カドヘリンによるシナプスのリモデリング
田中秀和 --- 93

神経難病の創薬ターゲットとしての巨大分泌タンパク質リーリン
服部光治 --- 99

NSAID起因性小腸損傷の発生-COX阻害の病因論的役割-
竹内孝治、田中晶子、加藤伸一、天ヶ瀬紀久子--- 103

創薬シリーズ6臨床開発と育薬(7)(8)
薬理試験とGLPの今後の展望
藏並潤一 --- 109

未承認薬・適応外薬の開発-我が国の現況-
吉野卓史 --- 113

新薬紹介総説
合成Xa阻害薬フォンダパリヌクスナトリウム(アリクストラ®皮下注5 mg、7.5 mg)の薬理学的特性と臨床試験成績
鈴木 巖、小関 靖 --- 117

キーワード解説
ニコチン報酬効果
永井 拓、山田清文 --- 128

最近の話題
バソプレシン受容体と耐糖能
中村和昭、田上昭人 --- 130

食欲調節物質による甘味感受性の調節
吉田竜介、二ノ宮裕三 --- 131

研究室訪問
京都薬科大学 病態薬科学系 薬物治療学分野
天ヶ瀬紀久子--- 132

第一薬科大学 薬物治療学分野
清水典史 --- 133

学会便り
第120回近畿部会市民公開講座
「正しいアンチエイジングの知識」・「薬食同源の視点から“メタボ”を予防する」を開催して
中田徹男 --- 134

リレーエッセイ
私の研究レベル向上メソッド
山崎大樹 --- 135

書評
医薬品開発部員のための和英/英和・翻訳辞典 改訂2版
劉 世玉 --- 136

お知らせ
前綴込  通常総会開催のご案内
       役員選挙実施のお知らせ

       部会案内,払込取扱票
23A  学術奨励賞受賞者プロフィール
24A  JPS優秀論文賞プロフィール
25A  事務局NEWS、助成金
26A  Calendar  
27A  集会案内、募集
28A  安全性情報No.287
44P  JPS118:2目次
表2  執筆の手引き
表2対向  英語目次
ハイライト裏頁  次号予告
表3   役員一覧

部会報告/抄録
132頁/21P 第120回近畿部会 竹内孝治
133頁/32P 第64回西南部会 原 千高

著者プロフィール
98、102

ハイライト 目次 top


総説
カドヘリンによるシナプスのリモデリング
神経突起が標的細胞と接着することでシナプス結合が成立する。神経回路が成立したあとでも、シナプス形成過程の一部をくりかえすことが、シナプス可塑性の背景となる。シナプスの接着を担うカドヘリンが思いのほかダイナミックにシナプスの機能にかかわることがわかり、さらにその過程で新たなシグナル伝達系も見いだされた。シナプスの可塑性や病態にカドヘリンが与える視点を紹介する.(田中秀和 p.93)

神経難病の創薬ターゲットとしての巨大分泌タンパク質リーリン
リーリンは脳の形成と機能に必須の巨大な分泌タンパク質であり、近年、その機能低下が精神神経疾患発症に関与することが提唱されている。本総説では、リーリンに関する知見と問題点を簡単にまとめ、さらにリーリンは正常および病態時の脳で何をしているのか、また、これを標的にした創薬は可能か、について概説したい。(服部光治 p.99)

NSAID起因性小腸損傷の発生-COX阻害の病因論的役割-
非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は抗炎症という期待される作用と共に副作用として消化管障害を誘発する。本稿では、最近臨床で注目されているNSAID起因性小腸損傷に関し、NSAID投与後に生じる機能変化とCOX阻害の関連に焦点を当て、損傷発生の背景要因として重要であるCOX-1/COX-2阻害の病因論的役割について概説する。(竹内孝治 p.103)

創薬シリーズ6 臨床開発と育薬(7)(8)
薬理試験とGLPの今後の展望
FDAのGLPを模したわが国のGLPの創生期から、省令化や安全性薬理試験への適用を経て、2008年のGLP省令改正に至る経緯を追う。特に省令改正については、GLPの国際化や考え方の変化について述べる。さらに、信頼性の基準とGLPとのボーダレス化について考え、薬理試験とGLPとの今後について展望してみたい。 (藏並潤一 p.109)

未承認薬・適応外薬の開発-我が国の現況-
製薬企業が新薬の開発に鎬を削ることで数多くの新薬が生み出され、疾病の治療に貢献してきた。一方、患者数が少ない等の採算性を勘案して企業が開発に着手せず、未承認薬・適応外薬となっているクスリを、一日も早く国内でも使用できるようにしてほしいと切望する患者の声は大きく、絶えることはない。ここに未承認薬・適応外薬問題が発生するが、その解消に向けての現況を紹介する。(吉野卓史 p.113)

新薬紹介総説
合成Xa阻害薬フォンダパリヌクスナトリウム(アリクストラ®)の薬理学的特性と臨床試験成績
フォンダパリヌクスナトリウムは、未分画へパリンのアンチトロンビンとの結合部位を完全化学合成した、活性化血液凝固第X因子(Ⅹa因子)を選択的に阻害する抗凝固薬である。外科手術後の静脈血栓塞栓症の発症抑制に加えて、初期治療薬としても有効な薬剤として期待される。(鈴木 巖 p.117)

ハイライト top 目次 top


このページの先頭へ