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日薬理誌第140巻第4号 2012年10月

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アゴラ
愛犬の死、使った薬
尾崎 博 --- 143

特集:薬理学領域における磁気共鳴画像法の可能性
序文
伊藤康一、藤井博匡 --- 145

高速電子常磁性共鳴イメージングによる3次元レドックス計測
平田 拓 --- 146

MRI用ガドリニウム造影剤を用いた脳関門の時空間的解析
伊藤康一 --- 151

常磁性体を架け橋とするEPR・MRI研究法の展開   
藤井博匡,江本美穂 --- 156

医薬品開発におけるMRIの応用
石川 誠 --- 161

実験技術
ランゲンドルフ灌流心実験法
中村裕二、安東賢太郎、杉山 篤 --- 166

創薬シリーズ6臨床開発と育薬(21)(22)
RAD-AR活動と医薬品リテラシー
海老原 格 --- 170

薬剤疫学と薬理学
川上浩司 --- 174

新薬紹介総説
ブリモニジン酒石酸塩点眼液(アイファガン®点眼液0.1%)の薬理学的特性および臨床効果
金子恵美、和田智之、南川洋子、井上 優 --- 177

最近の話題
ヒトiPS細胞由来心筋細胞の電気生理学的特性
本多正樹 --- 183

ヒト分化誘導肝細胞の創薬応用を巡る最近の話題
石田誠一 --- 184

ストレスにおける中脳ドパミン系の役割
古屋敷智之 --- 185

研究室訪問
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部
神経情報医学部門 病体情報医学講座 薬理学分野
玉置俊晃 --- 186

北里大学 薬学部 分子薬理学教室
中原 努 --- 187

学会便り
第126回日本薬理学会関東部会 市民公開講座
「―がん:治療と疼痛管理の最前線―」を開催して
石井邦雄 --- 188

コレスポンデンス
第85回日本薬理学会年会 男女共同参画推進セミナー
「薬理学研究とワーク・ライフ支援施策」の報告
黒川洵子 --- 189

リレーエッセイ
きっかけはOTC薬
山脇洋輔 --- 192

お知らせ
21A  公告 代議員選挙結果
22A  理事会報告,訃報
23A  Calendar
24-25A  集会案内
26A  募集  
27A  次号予告,安全性情報No.293
28A  執筆の手引き
広告第1頁  JPS120:1目次
表3  役員一覧

部会報告/抄録
186頁/1P 第121回近畿部会
187頁/13P 第126回関東部会

著者プロフィール
150,155,165

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特集:薬理学領域における磁気共鳴画像法の可能性
磁気共鳴画像法は,世界的に基礎,前臨床研究に積極的に利用されている.日本の基礎研究者にも目を向けていただくきっかけにするため,磁気共鳴画像法の進歩,基礎,前臨床研究への応用などについてその有用性,応用例などを紹介する.(伊藤康一 序文 p.145)

高速電子常磁性共鳴イメージングによる3次元レドックス計測
フリーラジカル分子を可視化する高速電子常磁性共鳴(EPR)イメージング法の技術的進展を紹介する.最新のEPRイメージング技術を用いれば,最良の条件では数秒でフリーラジカル分子の3次元空間分布を測定することができる.また,ニトロキシルラジカルを用いた酸化還元状態(レドックス)マップの計測方法を紹介する.(平田 拓 p.146)

MRI用ガドリニウム造影剤を用いた脳関門の時空間的解析
最近,脳関門(血液脳関門を含む)が脳神経疾患や脳神経疾患治療薬の脳内へのドラッグデリバリー,また薬剤治療抵抗性という観点からも注目され,その研究も急速に進んできた.しかし,特に生体を用いたin vivo実験(動物実験)において,脳関門の研究手法は多くの問題点を抱えている.そこで,in vivoでの脳関門における基礎,前臨床研究分野での研究法の一つとして,MRIの有用性について脳神経疾患(てんかん,脳内出血,髄膜炎)の実験動物モデルを使用した研究結果の一部を紹介しながら概説する.(伊藤康一 p.151)

レドックス状態を非侵襲的に画像化する磁気共鳴画像化法
様々な疾病において過剰な活性酸素種が生成し,酸化還元(レドックス)バランスを変化させている.ナイトロオキシド化合物をレドックス感受性イメージング剤として用い,動物体内でのレドックス状態や酸化ストレスの影響を非侵襲的に画像化する磁気共鳴画像化法について紹介する.(藤井博匡 p.156)

医薬品開発におけるMRIの応用
近年,臨床において磁気共鳴画像法(MRI),X線コンピューター断層法(CT),ポジトロン断層法(PET)等の画像診断装置の技術的進歩はめざましいものがある.これらの画像診断装置の技術的進歩は,臨床のみならず小動物を用いた基礎研究への応用を可能にしている.今回,創薬研究におけるMRIを用いた病態診断と薬効評価の応用例を紹介する.(石川 誠 p.161)

実験技術
心機能を多方面から評価できるランゲンドルフ灌流心実験法
ランゲンドルフ灌流心は古典的な実験手法であるが,比較的簡便に心機能を多方面から評価できることから現在でも有用な実験系である.古典的手技~最近開発された新技術の中から本稿では特に,標本作製法,心機能評価法,詳細な電気生理学的評価法および実験時のコツについて,具体的に紹介する.(中村裕二 p.166)

創薬シリーズ6 臨床開発と育薬(21)(22)
医薬品の適正使用確保のためのRAD-AR活動と医薬品リテラシー
医薬品には効き目(メリット)と副作用(デメリット)があり,そのかね合い,バランスをどう考えどのように使うのかは,医療・治療に関係する人全ての命題である.患者さんも例外ではない.医薬品情報を理解し,自分の治療に活用する能力を付けて欲しい.くすりの適正使用協議会は,大いにバックアップする.(海老原 格 p.170)

薬剤疫学の現状と将来像
薬剤疫学の現状と将来像について,臨床試験,ヘルステクノロジーアセスメント(HTA)や先制医療との関係も踏まえて解説する.(川上浩司 p.174)

新薬紹介総説
新規緑内障・高眼圧症治療剤アイファガン®点眼液
アイファガン®点眼液0.1%(AIPHAGAN®)は,アドレナリンα2受容体作動薬であるブリモニジン酒石酸塩を主成分とした新規の緑内障・高眼圧症治療剤である.本剤は「次の疾患で,他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障,高眼圧症」を効能・効果として2012年5月に販売が開始された.本稿では,本剤の薬理学的特性と臨床試験成績を紹介する.(金子恵美 p.177)

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