学会員の論文紹介

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Up-regulation of iNOS by COX-2 in the muscularis resident macrophage of rat intestine stimulated with LPS
Masatoshi Hori, Muneto Kita, *Shigeko Torihashi, Shigeki Miyamoto, Kyung-Jong Won, Koichi Sato, Hiroshi Ozaki and Hideaki Karaki
Graduate School of Agriculture and Life Sciences, The University of Tokyo, Bunkyo-ku, Tokyo 113-8657 and *Anatomy and Cell Biology, Nagoya University Graduate School of Medicine, Tsurumai, Nagoya 466-8550, Japan

消化管平滑筋の縦走筋層と輪走筋層の筋層間には常在型マクロファージが多数存在する。この筋層間常在型マクロファージは形態学的には明らかに他のマクロファージと異なることが知られているものの、その病態生理学的機能については不明な点が多い。

本研究において、腸炎や敗血症を想定してLPSを摘出消化管輪走平滑筋に曝露させた結果、平滑筋細胞ではなく、消化管筋層間の常在型マクロファージにiNOSの誘導が生じ、産生されるNOが消化管運動を抑制する作用を持つことが示唆された。また、iNOSの誘導は、筋層間常在型マクロファージでLPSによってiNOSに先行して誘導されるCOX-2からのPGsによって増加されることが明らかとなり、これまで培養マクロファージ細胞で報告されていた、iNOSとCOX-2間の相互作用が生じていることが示唆された。。

本研究により、消化管常在型マクロファージの病態時における機能の一部が初めて明らかにされた。

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