日本薬理学会について
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理事長就任のご挨拶(2006年4月)

東京大学 三品 昌美

日本薬理学会が創設されてから80年目、理事長制が布かれてから15年目を迎えることになりました。内外の状況が大きく変動している中、一つの節目を迎えております。このような時期に理事長に選出され、責任の重さを実感しております。幸いにも高い見識を有する先生方が理事に就任されておられますので、共同して学会運営を担う所存です。微力ではありますが、薬理学会の主体である会員の皆様のご協力をお願い申し上げます。

日本薬理学会は、21世紀のライフサイエンスを担う重要分野である薬理学・創薬科学の中心的な学会として発展しています。薬物と生体との相互作用のメカニズムに関する分子・細胞レベルから個体レベルに至る研究、基礎研究から創薬研究、臨床研究に渡る幅広い研究を遂行している会員相互の連携協力を促進することを見据え、学会の運営に当たりたいと考えております。4月14日に今期理事会の新たな体制が発足いたしました。6つの常置委員会は、飯野正光総務委員長(東京大院医)、赤池昭紀財務委員長(京都大院薬)、岩尾洋編集委員長(大阪市立大院医)、伊東祐之研究推進委員長(九州大院医)、鈴木勉広報委員長(星薬科大)、成宮周企画教育委員長(京都大院医)を中心に運営されることに決まりました。特別委員会の年会学術企画委員長は、村松郁延先生(福井大医)にお願いすることになりました。今期理事会では、2つの大きな目標を掲げます。第一の目標は、薬理学会の事業、財務、事務局を総合的に見直し、学会の体制を再整備することです。幸いにも、馬場明道前理事長を中心とする前期理事会が事務局体制の見直しに明確な道筋をつけられ、本年3月の総会でその方針が承認されました。この合意を基本に、理事会や人事会議に加え、役員懇談会および理事長、財務委員長、総務委員長と編集委員長からなる4者会議さらには特任理事により具体的な方策を検討していきたいと考えています。第二の目標は、生命科学の大きな発展の中で薬理学・創薬科学の展開を図り、その重要性を広く周知させることです。研究推進委員会、広報委員会、企画教育委員会および年会学術企画委員会に、ならびに鍋島俊隆第80回年会長と松木則夫第81回年会長にご努力をお願いしています。同時に、日本学術会議、国際薬理学会、臨床薬理学会、The Australasian Society of Clinical & Experimental Pharmacologists & Toxicologists (ASCEPT)など国内外の関連学会との連携を深めて行きたいと考えております。さらに、企業所属の評議員からも理事会に加わって頂き、幅広い視点から学会の発展を図りたいと思います。

国立大学の法人化や教育改革に加え、学会を取り巻く文部科学省、日本学術会議、科学技術会議、製薬企業も大きな変革が進んでいます。長寿高齢社会を迎え、薬理学・創薬科学の重要性も益々大きくなると思われます。このような状況の中で、日本薬理学会が、基礎研究を深め、創薬科学から臨床への橋渡しも図るには、絶えざる努力が必要です。薬理学会の役割と課題は多岐に渡りますが、今期理事会では、重要性と緊急度を考慮して優先順位を明確にし、一つ一つ堅実に歩みを進めたいと考えております。理事には、研究と教育に優れた実績を挙げているのみならず学内外の要職に就き高い見識を有する先生方が多数おられます。広い視点から力を合わせ、薬理学会の運営に当たれることを希望しております。会員の皆様のご支援とご協力を重ねてお願いいたします。

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