年1回以上の JPS論文引用を!
■ このたび 2010年インパクトファクター (IF) が公表されましたが、日本薬理学会の機関誌であるJournal of Pharmacological Sciences (JPS)の IF値は「2.260」と昨年の「2.176」に比べてやや上昇しました。ご存知のように、IF値は最近2年間に当該雑誌に掲載された総論文数を分母に、そして同期間に引用された掲載論文の回数を分子に計算されています。
■ したがって、計算上は分子の引用回数増加か、あるいは分母の掲載論文数低下が、IF値の上昇をもたらすことは明白です。昨年ご報告致しましたように、JPS掲載論文の引用回数は年々減少を続けておりましたが、今回は昨年の「818回」に比べて「938回」と、120回分の引用回数増加が確認されました。過去4年間の JPS掲載論文の引用回数が、2006年:888回、2007年:879回、2008年:842回、2009年:818回と年々減少していたことを考えると、この 120回分の増加は画期的な結果と言えます。
■ IF値自身の善悪については大きく議論の分かれるところかと存じますが、日本薬理学会の総意で大きな予算と労力を割く出版事業が、国際的に認知度が低い状況は看過出来ない事態かと存じます。恒常的に高い IF値を維持するには、最近2年分の掲載論文引用回数を増加させる対策が必須かと存じます。つきましては、編集委員会も編集業務により一層の努力をする所存ですが、会員の諸先生方におかれましては、最近 2年分の JPS掲載論文の積極的な引用に、ご理解とご配慮を賜りますよう改めてお願い申し上げます。機関誌の国際的な認知度を高めることが、日本薬理学会の将来的発展に向けた国際戦略の一つと信じる次第です。会員の方々のご協力があれば、近い将来には目標値である「3.0」を超えることも夢ではないかと存じます。
■ なお、2010年の投稿論文総数は 384編(うち 1編は6月30日現在審査中)で、その中で国内からの投稿は 224編(58%)でした。採択論文総数は 187編で採択率は約49%でした。JPS誌は学会機関誌としての性格だけでなく、国内情報を発信する国際誌としての性格の二面性を有しますが、会員の皆様におかれましては、①投稿、②査読、③引用、および④購読を通じて、JPS誌の今後の発展にご協力とご高配を賜りますようお願い申し上げます。
2011年6月30日
日本薬理学会編集委員会
委員長 米田幸雄