新名誉会員のご紹介
平成30年度通常総会において,本会名誉会員に次の7名の方が承認されました.
荒木博陽 |
荒木博陽先生は,1975年九州大学薬学部をご卒業後,同修士課程(故植木昭和教授)を修了され,’77年から大正製薬(株)総合研究所薬理研究室で創薬に従事され,’97年から岡山大学医学部附属病院薬剤部 准教授・副薬剤部長(五味田裕教授・薬剤部長)を経て,’12年から愛媛大学医学部附属病院薬剤部 教授・薬剤部長として,薬理学だけではなく,医療薬学分野にて,研究・業務・教育にご尽力されました.その間,中枢神経系の行動薬理学的研究,副作用に着目した薬理学的研究,あるいは臨床現場における患者の安全対策などで多大な業績を残されました.日本薬理学会では,学術評議員28年間,理事1期,常置委員会委員等通算3期,第69回日本薬理学会西南部会長を務められるなど,薬理学会の発展に多大なる貢献をなされました. (文責:末丸克矢) |
今泉祐治 |
今泉祐治先生は,1976年に東京大学薬学部をご卒業後,同大学薬学系研究科修士課程を修了され,’78年より名古屋市立大学助手(薬品作用学講座;渡辺 稔教授)(1981年に博士号を取得),’82年より助教授,’97年から’18年まで名古屋市立大学大学院薬学研究科教授(細胞分子薬効解析学分野)として薬理学の研究・教育にご尽力されました.また,’85年から’87年までカルガリー大学医学部(生理学講座;Wayne Giles教授)で研鑽を積まれました.その間,電気生理学及び先端イメージング技術を駆使したイオンチャネル研究やイオンチャネル標的創薬研究で多大な業績を挙げられました.日本薬理学会では,理事を5期,第123回近畿部会及び第88回年会の年会長を務められるなど,学会の発展に多大なる貢献をなされました. (文責:大矢 進) |
岡淳一郎 |
岡淳一郎先生は,1975年東京大学薬学部をご卒業後,東京大学大学院薬学系研究科修士課程に続いて’80年同研究科博士課程を修了され,同年より東京大学薬学部教務職員(毒性薬理学教室,福田英臣教授),’82年から助手,Calgary大学医学部生理学教室およびBritish Columbia大学薬学部薬理学教室への留学を経て,’93年より名城大学薬学部講師(薬品作用学教室,亀山勉教授),’95年より助教授,’00年より東京理科大学薬学部教授に着任され,認知症とうつ病の薬物治療や生理活性ペプチド(GLP-1,GLP-2,Neuromedin U)の中枢作用機序の解明および創薬研究,さらに薬理学の教育と発展にご尽力されました.日本薬理学会において理事(1期),常置委員会委員(8期),第133回日本薬理学会関東部会部会長を務められ,本学会の発展に多大な貢献をされました. (文責:赤羽悟美) |
川西徹 |
川西徹先生は1978年東京大学大学院薬学系研究科修士課程を修了後,国立衛生試験所(現国立医薬品食品衛生研究所)研究員,室長,部長,副所長,所長として,医薬品等の品質・有効性・安全性確保のための試験・研究に従事されましたが,一貫して薬理学的視点を重視した評価研究を展開されました.日本薬理学会では,学術評議員を27年間務めるとともに,理事(1期),委員会委員(2期)を務め,その間医薬品等の規制に関する豊富な経験をもとに,その時々の最新の医薬品開発動向やレギュラトリーサイエンスに関する企画の立案等を多数行い,本学会の発展に大きな貢献をされました.現在内閣府食品安全委員会委員として食品安全性確保のためのリスク評価に活躍中です. (文責:田中 光) |
齊藤亜紀良 |
齊藤亜紀良先生は,1975年千葉大学薬学部をご卒業後,東京大学大学院薬学系研究科博士課程を修了され,’80年自治医科大学助手,’81年米国南イリノイ大学研究助手,’84年より筑波大学基礎医学系講師,その後’94年から’13年まで田辺製薬,(現田辺三菱製薬)で創薬研究にご尽力されました.その間,脳血管,心臓機能のペプチド作動性神経調節機構の研究,糖尿病治療薬(SGLT阻害薬)の創薬研究では多大な業績を残されました.日本薬理学会では,学術評議員30年,常置委員会等委員7期12年,アカデミア研究者と企業研究者との橋渡しを務められ,薬理学会の発展に多大な貢献をされました. (文責:今泉祐治) |
玉置俊晃 |
玉置俊晃先生は,1977年に徳島大学医学部医学科をご卒業後,泌尿器科医としての臨床研修の後,’85年より香川医科大学薬理学講座助手に就任されました.テキサス大学サンアントニオ校へのご留学の後,香川医科大学助教授を経て’96年から’18年まで,徳島大学大学院医歯薬学研究部薬理学分野の教授として,薬理学の教育・研究に尽力されました.この間に,腎循環調節機序解明に加えて,電子スピン共鳴法や細胞内情報伝達機序に注目して,酸化ストレスによる循環器障害機序解明に多くの業績を残されました.日本薬理学会では,監事2期,委員会委員5期,第121回近畿部会を主催されるなど,本学会の発展に多大なる貢献をされました. (文責:吉栖正典) |
三輪聡一 |
三輪聡一先生は,1976年京都大学医学部医学科をご卒業後,脳神経外科学講座に入局し,2年間医員として臨床研修をされました.’78年京都大学大学院医学研究科博士課程に進学して学位(医学博士)を取得されました.’82年に京都大学医学部薬理学第1講座助手にご就任され,同講座講師,助教授を経て,’00年10月から’16年9月まで北海道大学大学院医学研究科細胞薬理学分野教授として,薬理学の教育・研究にご尽力されました.この間,エンドセリン受容体研究や喫煙科学研究において,多大な業績を残されました.日本薬理学会においては,監事1期,各種委員会委員5期,第67回日本薬理学会北部会部会長を務められるなど,本学会の発展に多大なる貢献をなされました. (文責:堀之内孝広) |