日本薬理学会について
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「薬理学会年会に関するアンケート」概要

(社)日本薬理学会
会員 各位

平成14年8月
理 事 長  橋本敬太郎
総務委員長  遠藤 政夫

 

今期理事会は会員の意見を直接汲み上げる方策の一つとして、発足間もない5月に学術評議員の先生方に企業所属会員の学会参画に対するご意見をお願いしました。約200人の方から貴重な、そして建設的なご回答をいただき、それを総務委員会で集計し、6月22日の理事会に報告させていただきました。(下記参照)

 その結果、今期理事会は皆様のご意見を反映し「企業所属会員の積極的な学会参加の推進」をひとつの核として運営していくことを決めました。

  1. 運営面では、理事会は皆様からのノミネートを参考に、寺下 善一氏(武田薬品工業?)および本田 一男氏(山之内製薬(株))の二氏を前期に引き続き理事として選出し、10月の臨時総会に諮ることを決めました。
  2. 魅力的な学術集会にするために企業会員が参画する企画として、平成15年3月(福岡)の年会でのシンポジウムの開催をはじめ、「創薬」「新薬」など企業会員にとって魅力あるテーマを取り上げる努力をしております。今後とも学会運営にご協力のほど、宜しくお願い申し上げます。

  以上

【アンケートの概要

 約200名のアンケートの集計結果は、自由記載でしたのでさまざまなレベルや観点からの建設的な意見が多数ありました。定量的な解析が困難であったため、以下に主な意見をまとめました。( )内の数字は意見の数で一つの目安にはなると思われます。

 企業所属会員が積極的に学会に関わることおよび企業所属会員から理事を選出することについては、一、二の意見を除きほとんどが賛成・肯定的な意見でした。その方策については、1 積極的な運営参加と、2 企業から見て魅力的な学会への提言に大別されます。また、学会へのスタンスとしては、「アカデミック機関所属会員と同等のパートナーとして学会を支える」 観点と 「お客さん」 としての観点が混在しています。


1.企業所属会員の積極的な学会運営参加について

  • 理事や常置委員などに企業枠を設ける
  • 年会や地方部会の主催(8)
  • シンポジウムの企画運営やシンポジストとしての参加(11),座長(6),学会誌レフェリー(3),賞選考委員(2)への登用
  • 企業は時間の管理が厳しく個々の企業の方針に依存するので,上層部の理解を得る必要がある。企業では学会活動は業績として評価されない。企業トップの招聘や学会から企業への依頼状送付などで学会活動の重要性に対する認識を高めるための具体的な対策が必要である。

2.学術集会が魅力ある内容となるために

年会・部会や機関誌に「創薬」と「新薬」を取り上げて欲しいという意見が圧倒的に多かった。一方,企業秘密の保持のための発表制限を指摘する人も多く,情報を得たいが,自らはあまり情報発信ができない事情が伺える。
また,企業会員は,学術集会に「一方的な情報収集」だけでなく,「会員相互の交流の場」も求めている。

  • 創薬のシーズ(ヒント)や評価系(疾患モデル動物,in vivoや新しい評価系など)(28)
  • 企業が創薬のターゲットを絞っており,臨床家が多く参加し(4),疾患を切り口(3)としたテーマ等を取り上げてほしい
  • 新薬(世界同時開発事例,成功例,失敗例,早い段階での発表,類薬比較など)(17)
  • 行政当局からの情報や交流の場,レギュレーション関係のトピックス,安全性ガイドライン関連(例:QT延長等),ICH(8),学会としてガイドラインを作成したり,評価や提言をして欲しい(3)
  • 産学連携の場として,情報提供,大学におけるGLPなどの理解促進,ビジネス(6)
  • その他:企業所属会員を対象とした賞の設定,大学と企業の若手研究者の交流の場の設定,薬理学教育標準プロトコールの作成,薬剤師や看護師への薬理作用の基礎の啓蒙,動物実験ができる研究者の教育・育成システムの作成,一般演題の口頭発表を増やす,ランチョンセミナーの充実,学会参加の点数化,など多くの意見をお寄せいただきました。

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