お知らせ

2005年12月6日掲載
[2004年JJP/JPSインパクトファクター]について(No.2)

 

2004年JJP/JPS Impact Factor について (2) Impact Factor1995-2004

2005年9月27日付けでご報告しましたように、Journal Citation Report (JCR) 発表の2004 Impact Factor (IF) のうち、J Pharmacol Sci (JPS)のIFが異常に低い値で発表され (0.253)、その結果Jpn J Pharmacol (JJP)とJPSをあわせた両誌名合算IFも例年よりも顕著に低い数値になりました (0.994)。JCR発表の引用数(IF算出の分母)には疑義があったため、確認の一例として ”2003年JPS論文が2004年JPS論文でどれだけ引用されたか” を独自にJ-STAGEリンクから調査したところ、実際の引用数はJCR発表より大幅に多いことが確認できました(20:3)。

そこで9月12日にJCRに対して、1)発表された引用数が実際と異なる理由、2)前年度に認識し当方からも指摘していたこの問題* が解決されていない理由、3)正しい引用数の再集計と修正数値の公表、4)次年度は正しく集計し発表することの保証、を求めました。

*JPS とアメリカ薬学会誌 “Journal of Pharmaceutical Sciences (J Pharm Sci) の誌名が類似していて、かつ2003年は偶然にも両誌が同じVolume数を持っていたため、誌名とVolume数でcitation-collectingを行う際に共通Volume数の場合は “Pharmacol” も検索の上位語である “Pharm” の方へ収集された。先方は既に前年度に認識。
 (J Pharmacol Sci への誌名変更は変更前年の2002年にJCRへ届け済み)

<Volume数>
J Pharmacol Sci 2003: Vol. 91, 92, 93 2004: Vol. 94, 95, 96
  J Pharm Sci 2003: Vol. 91, 92 2004: Vol. 93, 94

JCRからは9月30日に、a)J Pharm Sci との混同は依然続いている、b)システムのmodificationを検討し報告する、c)modifyできたとしても2004 JCRについて(再)実行はできない、との回答がありました。

その後編集部で更にWOS (Web of Science)のJPS掲載論文毎のデータ(IF関連データとは別のカテゴリー)から、それらの論文が引用された状況を調査し ”2003年JPS論文が2004年論文で引用された総数” を集計しました。それによると引用数は177で、やはりJCR発表の45とは4倍近い差がありました。

これを受け、11月8日にJCRに再度、1)システム検討の結果報告、2)次年度の正しいデータへの確約、3)本誌調査による上記引用数の確認と修正数値の公認および公式報告、を督促しました。また、指摘した問題にこれまで改善策を講じなかったことへの遺憾の意と公表するデータには責任を持って対処すべきとの要望を重ねて伝えました。

回答には期限を設けましたがそれを過ぎても返信がないため、本委員会としては独自に調査したデータをもって2004年度のIFとみなすことにいたします。これはJCRによって公認されていませんので公式の文書等では有効ではないかもしれませんが、IF記載の際は、注釈をつけてJCR発表値と本誌による修正値を併記されるか、修正値の方を採用される、などの措置をおとりいただきたく存じます。

<JPS編集委員会による修正データ (下線部)>
Jpn J Pharmacol + J Pharmacol Sci (2004年度のみ、両誌名併記が望ましい)
2004 Impact Factor: 1.362
内訳
JJP: 1.724 = (’04発行誌における’02 JJPの引用数 312) / (’02 JJPの掲載数 181)
  JPS: 0.994 = (’04発行誌における’03 JPSの引用数 177) / (’03 JPSの掲載数 178)
  --> JJP/JPS: 1.362 = (312 + 177) / (181 + 178) 

JCRの誠意ある公式回答を公表させていただくのが最善であるため、ねばり強く先方への申し入れを行ってきましたが、現在のところJCR自身によるデータの訂正と公表の意図は見られませんので、遺憾ながら上記の結論とさせていただきました。引き続きJCRへは問題解決の要求を行います。

薬理学会会員各位および本誌の著者や読者の先生方には、これらの事情をご賢察の上、今後ともJPSへのご投稿とJPS論文の引用をよろしくお願い申し上げます。

2005年12月6日
(社)日本薬理学会 編集委員会 委員長 鍋島 俊隆

連絡先:(社)日本薬理学会 編集部 journal@pharmacol.or.jp TEL: 075-252-4641

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