公益社団法人日本薬理学会
The Japanese Pharmacological Society

学会概要
TOP学会概要 > 理事長挨拶

理事長挨拶

理事長 古屋敷 智之

このたび、日本薬理学会理事長を拝命いたしました。長い歴史と伝統を有する本学会の重責を担うこととなり、身の引き締まる思いです。先達の先生方が築いてこられた学術的基盤と人的なつながりに深く敬意を表するとともに、本学会で育てていただいた一会員として、それらを次代へ確かに継承し、新たな発展へとつなげていくことが私の務めであると考えております。

日本薬理学会は、まもなく創立100周年という大きな節目を迎えます。この時期にあたり、私が大切にしたい言葉は「温故知新」です。先人たちが切り拓いてきた知と実践に学び、その歴史を礎として、いまの時代にふさわしい新しい学会の姿を形にしていく。その姿勢をもって、これからの学会運営にあたってまいります。

本学会の大きな魅力は、薬理学という学問そのものがもつ自由さと広がりにあります。薬理学は、生命現象や生体応答の本質に迫る基礎研究を深めると同時に、疾患や領域の枠を越えた横断的な研究へと展開し、創薬や技術開発にもつながる学問です。近年では「薬」の概念そのものも大きく広がり、従来の低分子化合物に加えて、抗体、核酸、細胞など多様なモダリティを対象とする新しい薬理学が現実のものとなっています。さらに、薬や治療介入の社会的影響や受容のあり方まで視野に収められることも、薬理学の重要な特徴です。基礎、臨床、創薬、レギュラトリーサイエンス、社会実装へと連なるこの幅の広さに、薬理学ならではの魅力があると考えています。

また本学会には、医学、薬学、歯学、看護学、獣医学、農学、理工学、さらには企業の研究開発など、多様な背景をもつ研究者、教育者、技術者が、「薬理学」という共通言語のもとに集い、語り合うことのできる強みがあります。この多様性を単なる並存にとどめず、学術の深化と新たな展開を生み出す力へと高めていくことが、これからの学会に求められていると考えています。

いま私がとりわけ皆さまにお願いしたいのは、分野を問わず、我が国の薬理学に携わる多くの方々に、あらためてこの学会に集っていただきたいということです。研究領域の細分化や研究環境の変化、日々の多忙さのなかで、本学会との接点が以前より少なくなっていると感じておられる方々にも、ぜひもう一度関わっていただきたいと願っております。多様な分野で活躍する方々が知識と経験を持ち寄ることで、薬理学が本来もっている分野横断性や、基礎と応用をつなぐ面白さが、より明確になるはずです。若手にとって希望ある場であることはもとより、中堅・ベテランの方々、さらには異分野、臨床、企業の皆さまにとっても、「ここに戻りたい」「ここで新しい流れをつくりたい」と思える場にしていきたいと考えております。

そのために今期は、次世代を担う若手の育成、分野や立場を越えた対話の促進、関連学協会や関連研究領域との連携強化を重視したいと考えております。年会や部会を通じて、薬理学ならではの先端性、独創性、分野横断性に富んだ研究の魅力が、これまで以上に鮮明に伝わる学会運営を進めてまいります。若手の斬新な発想、一つひとつの研究に宿る可能性、基礎と臨床、アカデミアと企業の対話が、学会全体の活力へとつながるよう努めてまいります。

あわせて、ダイバーシティの推進、国際化、広報・情報基盤の充実、そして持続可能な財政基盤の確立にも着実に取り組んでまいります。多様な背景をもつ皆さまが参画しやすく、国内外に向けて本学会の魅力が伝わる仕組みを整えることは、これからの日本薬理学会にとって不可欠です。また、海外の研究者・学術団体との交流と連携を深め、日本の薬理学の成果と魅力を世界に発信していくことも、今後の本学会にとって重要な課題であると考えております。

創立100周年は、単なる通過点ではなく、次の100年へ向けた出発点です。伝統を礎としながら、新しい時代の日本薬理学会を、会員の皆さまとともに築いてまいりたいと存じます。どうかお力をお寄せいただき、分野と世代を越えて、我が国の薬理学の未来をともに拓いていければ幸いです。さらに、国際的な学術交流のなかで日本薬理学会の存在感を高め、世界の薬理学の発展にも貢献していけることを願っております。今後とも、ご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

令和8年5月1日

古屋敷 智之

東京科学大学大学院医歯学総合研究科  

2026-  (古屋敷 智之)

理事長就任のご挨拶(2026年5月)

2024-2026(橋本 均)

理事長挨拶(2026年1月)
理事長挨拶(2025年1月)
理事長就任のご挨拶(2024年5月)

2022-2024(赤羽 悟美)

理事長挨拶(2024年1月)
理事長挨拶(2023年1月)
理事長就任のご挨拶(2022年5月)

2020-2022(谷内 一彦)

理事長挨拶(2022年1月)
理事長挨拶(2021年1月)
理事長就任のご挨拶(2020年5月)

2018-2020(吉岡 充弘)

理事長挨拶(2020年1月)
理事長挨拶(2019年1月)
理事長就任のご挨拶(2018年6月)

2016-2018(赤池 昭紀)

理事長挨拶(2018年1月)
理事長挨拶(2017年1月)
理事長就任のご挨拶(2016年5月)

2014-2016(飯野 正光)

理事長挨拶(2016年1月)
理事長挨拶(2015年1月)
日本薬理学会の更なる発展を見据えて(2014年5月)

2012-2014(岩尾 洋)

理事長就任のご挨拶(2012年7月)

2010-2012(松木 則夫)

公益社団法人 日本薬理学会の発足(2012年1月)
第84回日本薬理学会年会開催中止のお知らせ(2011年3月)
理事長就任のご挨拶(2010年6月)
「ホメオパシー」への対応について(2010年8月)

2008-2010(成宮 周)

理事長就任のご挨拶(2008年9月)

2006-2008(三品 昌美)

理事長就任のご挨拶(2006年4月)

2004-2006(馬場 明道)

理事長挨拶(2004年4月)

2002-2004(橋本敬太郎)

理事長挨拶(2004年3月)
理事長挨拶(2004年2月)
理事長挨拶(2003年12月)
理事長より(2003年8月)
理事長からのメッセージ(2003年6月)
理事長より(2003年4月)
新年のご挨拶(2003年1月)
理事長より(2002年9月12日)
理事長からのメッセージ (2002年4月)
理事長就任のごあいさつ (2002年4月)

学会概要